JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

大山(JA/KN-006)

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 今年初めての大山(JA/KN-006)アクティベーションをJG1GPY局と一緒に行ってきました。

 ヤビツ峠は積雪の為バスが不通とのこと。運動不足解消も兼ねて蓑毛からヤビツ峠経由で登ることにしました。蓑毛バス停を降りてから柏木林道を通りヤビツ峠へ。先日の積雪がまだ残っており崩落個所を注意深く渡りながらヤビツ峠へ向かいます。なかなか良いペースで1時間15分程でヤビツ峠へ到着しました。

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 ここからはイタツミ尾根を経由して山頂を目指すのですが、登るにつれて積雪が目立ち大変歩き難い状況です。軽アイゼンを着けて登ったのですが、日頃の運動不足もたたり、山頂についたのは蓑毛から3時間近く経った後でした。

 早速いつもの場所に14MHzのGPを展開します。ラジアルは2m近く上げています。

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山頂はかなり雪が残っており雪上でのアクティベーションとなりました。

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 14MHzでCQを出すと国内局に続きWからコールをいただきました。QSBはあるもののピークではS7~8振っており、久しぶりに強力なシグナルを聞くことができました。18MHzでQRV中のGPY局にかぶるようなので暫しQRX。GPY局も雪上でのアクティベーションです。

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その後、先日作ったGlue-EFHWを使って10MHzへQSY。同軸ケーブルも不要でSWRもすぱっと落ち楽ちん楽ちんとGPY局に自画自賛。^_^;;

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 10MHzは国内の伝搬状況が良いようで6エリア・8エリアがS9オーバーで入感していました。コールが途切れたところでそろそろお腹が空いてきたのでランチタイムです。

 毎回GPY局が趣向を凝らした昼ご飯をごちそうして下さるのですが、今回のメニューはこちらの餡バターブレッド。ちょっと焦げてしまいましたが、甘い餡子がナイスです。

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 帰り道は見晴らし台経由で下社へ向かいます。雪が解けて泥だらけとなってしまい、運動靴で登ってきたハイキング客が動けず大渋滞となっています。15時過ぎにはどうにか下社に辿りつくことが出来ました。

 久しぶりにがっつり歩いたため正直疲れましたが、伝搬状況にも恵まれSOTAアクティベーションを満喫することができました。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

 

 

城山(JA/KN-022)デジタルモードでのアクティベーション

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 6m用トランスバータの変更申請と同時にKX2にデジタルモードの付加装置を追加しました。なかなか移動運用で使う機会がなかったのですが、先日ようやくデジタルモードでのSOTAアクティベーションにトライすることができました。

 付加装置としてWindows10のタブレットPCWSJT-Xをインストールしたものを使っています。KX2のオーディオ入出力にタブレットのヘッドホン・マイク端子を接続し、送受信はVOXで切り替えています。

 移動先はいつもの城山(JA/KN-022)です。折角のデジタルモードですので夕方のグレイラインでEUを狙ってみることにしました。山頂に到着したのは午後3時近く。10mのグラスポールに20mバンドのGPを上げ、まずはCWから運用してみました。

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 国内はあまり開けていないようで1エリアを中心にコール。DXはZL/VKとコールいただき伝搬状況はまずまずのようです。

 そろそろEUへのパスが開けそうな時間となったためタブレットをKX2に接続しFT8でCQを出してみました。

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 早速モスクワの局からコールバック。-17dBのレポートをいただけました。その後、国内局・中国局を中心に6局ほどQSOができました。EUの局はかなりデコードできているのですが、バンドが混んでおり、こちらのCQはなかなか拾って貰えないようです。

 自宅に帰ってからPSKReporterで確認してみたところ5WでEU/オセアニア/南米まで飛んでいたようです。

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 こちらの比較によるとDXのCWをコピーできるSNRが-15dBとのこと。-20dBまで行けるFT8の威力が発揮されたようです。SOTAWatchでスポットをする前提ならバンドが空いている上にSNRの稼げるJT65/JT9の方が良かったかもしれません。

 山岳移動では出せるパワーやアンテナにも限界があるため、このような符号化利得で稼ぐのも一つの手かもしれません。今後海外の山岳移動局とのS2S(Summit to Summit)交信にもトライしてみたいと思います。

マルチバンドバーチカルの製作

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 W2LJ局のブログを眺めていたところ、QRP関係のキット販売で有名なQRP Guysからコンパクトな短縮バーチカルのキットが紹介されていました。

qrpguys.com

 ベースローディングの短縮型40m/30m/20mのバーチカルアンテナでN2CX局が設計されたものとのこと。NPOTAのアクティベーションでも大活躍しているそうです。

 ハイバンドをGPとした場合、ローバンド向けのアンテナが別途用意する必要があり、このQRP GuysのTri-Band Verticalがうってつけそうです。早速これを参考にGPのエレメントとラジアルを使った2 Band Vertical + 3 Band GPを作ってみることにしました。

アンテナ製作と調整

 15m/17m/20mバンドはエレベーテッドラジアルのGP、30m/40mはGPの20mバンド用エレメントを使った短縮バーチカルとします。バーチカルアンテナのカウンターポイズもGPのラジアルをそのまま使いました。

 ローディングコイルにはQRP Guysのキットと同じT68-2を使ったトロイダルコイルを2つ直列にして使っています。各トロイダルコイルにはトグルスイッチが並列についており、使わないときはショートするようにしています。まずは30m用 26turn、40m用 40turnぐらいから始めました。

 ローディングコイルを全てショートした状態で高いバンドからGPのエレメント長を決めていきます。4.2m/5.2mのラジアルを2本を付けてエレべーテッドラジアルとし調整した結果がこちら。給電点は1.5m〜2m位にしています。エレメントはAWG24のワイヤです。

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 次にローバンドの調整です。30m/40mバンドは20mバンド用のエレメントを付け調整します。ラジアルの位置は地面から50cm程度まで下げています。 ローバンドは地面の状況によってかなり異なるのでオリジナルと同様3m x 4本のラジアルも作り、設置場所に合わせてラジアルの種類や高さを調整しSWRが最低となるようにしています。今のところ40m/30mともにSWR 1.2~1.6程度におさまっています。

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 尚、最終的に30m用のローディングコイルのLは24turn 3.3uH、40mバンドは38turn 8.23uHとオリジナルと同じ値に落ち着きました。

アンテナの評価

 移動運用でよく使われるフルサイズの逆V(Glue-EFHWを逆Vに展開したもの)と40mで比較してみました。逆Vは頂点を6mぐらいまであげています。

 まずSメータで比較してみたところ逆VがS1-2程度強いようです。WSPRの比較でも3エリアのレポータで逆Vの方がSNRで5-7dB程度強いというSメータとほぼ同じデータが取れました。

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 やはり国内はゲインもあり打ち上げ角の高い逆Vが良い結果を出しています。DXについては定量的な評価は出来ていませんがARRL DX Contestでは夕方の40mで5Wでネバダ州の局にピックアップしてもらえるなど、短縮率が高い割には飛んでいるようです。

まとめ

 QRPGuysのキットを参考に、ハイバンドのGPと40m/30mの短縮バーチカルをまとめSOTA向きのコンパクトなアンテナを作ることができました。今後、実際の山頂での評価を続けでみたいと思います。

リフレクタ付きGPの評価

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 これまでの実験でコンパクトな割には良く飛ぶことが判ったGPですが、欲を言えばもう少しゲインが欲しいところ。ゲインを稼ぐためにGPにリフレクタを付けたらどうなるかMMANA-GALでシミュレーションしてみました。

 GPの後方4.8mの位置に垂直に5.14mのエレメントを、地上高2mの位置から5.35mのラジアルを2本降ろしリフレクタとします。シミュレーションしてみると、Ga = 3.93dBi、F/B比 7.8dB、打上角は23度となり、そこそこ良い感じになりました。

実験手順

 早速いつものAWG24のワイヤを切り出してリフレクタを作成。いつもの公園で釣竿2本を使ってエレメントを設置してみました。

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 場所の都合でリフレクタはGPの北側6.6mの位置へ。ビームは南方面を向くことになります。若干間隔が広くなってしまったためシミュレーション上ではGa = 3.37dBiに落ちています。

 このアンテナでGP本体のみの場合とリフレクタを付けた場合、各々WSPR 6フレーム分を1Wで交互に送信してReporterのSNRを調べてみました。

実験結果

 DXPlorerを使ったReporterの位置関係はこちら。一番飛んでいるのは後述する別のアンテナです。

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各アンテナでのReporterのSNRは以下の通り。

  • リフレクタ付きGP

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    スポット数は7つでした。

  • GP

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    こちらもスポット数は7つ(DXに限定すると4つ)となりました。

 参考データとして10mのグラスポールを使って給電点を3.5m程度まで上げた、いわゆるElevated Radial GPについても計測してみました。

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 計測結果はこちら。

  • GP(Elevated Radial)

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    (場所の都合から通常のGPと交互に計測できなかったため、バンドコンディションが変化しているかもしれません。あくまでも参考データとなります。)

  • 考察

 シミュレーション上ではリフレクタを追加することで3.37dBiを得られます。微妙な差かと思いましたが、実測ではそれなりに違うようです。むしろ驚いたのは給電点を高くあげたElevated Radialの結果です。

 短時間でバンドコンディションが大きく変化した可能性もありますが、遠くEAまで飛んでおり大きな差がついています。更にバンドコンディションに影響されない直接波の局にも拾われるようになっていました。電流腹となる給電点を高くすることがGPの性能に大きく影響を及ぼすようです。

 そういえば前回のVK <> EU S2S Eventの際にMLAでコンタクトできたVK2IO局も当日Elevated RadialのGPを使用されており、SOTA ReflectorでもGPがZS6BKW(G5RVアンテナの一種)よりも強かったとコメントされていました

 当初想定していた結果と若干異なるものとなりましたが、GPについても興味深い結果が得られました。

40m用1/4λバーチカルの評価


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 普段使っている20m用の1/2λ EFHWですが、2m程度のカウンターポイズを追加すると40mでもチューンすることができます。アンテナとしては1/4λバーチカルとなりSOTAアクティベーションでも国内向けに重宝しています。

 今回はこのアンテナをDXに使ってみるとどうなるかWSPRで評価してみました。

実験手順

 この時期40mのDXは夜間が中心となり屋外での比較は困難です。自宅のベランダから約45度に突き出した釣竿にエレメントを付け、バーチカル(と言えるか?)単独での評価をしてみました。時間は夜の0時過ぎから、出力は30dBm(1W)としています。

実験結果

 冒頭のマップの通り比較的バンドコンディションが良かったようでW/VK/HSまで飛んでいます。スポットされた回数はこちら。
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 SNRは最大で-17dB、平均的には-22〜-24dB程度とJT65ならどうにかQSO出来るかといったレベルでしょうか。
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 最近ブームとなっているFT8は交信時間も短くSOTAアクティベーション向きですが、送信時間が短いためJT65までの利得は稼げないようです。それでもCWに比べれば圧倒的な符号化利得を稼ぐことができます。

 SOTAでJT65/JT9/FT8といったデジタルモードがどれだけポピュラーか未確認ですが、少電力・コンパクトなアンテナでDXを狙うには強力な武器になりそうです。

 

 

Glue-EFHWとGPの比較(WSPR編その2)

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 昨日のJAFF-0211のアクティベーションでは7mの釣竿で上げたGlue-EFHWが今一つ不発でした。先日の実験の通り10mのグラスポールで上げたGlue-EFHWはGPを凌ぐ性能を発揮する一方、7mの釣竿ではGPに較べS=1~2程度低く今一つ性能が出ないことが判っています。そこで今回は7mHのバーチカルEFHWとGPがどの程度の差があるのかWSPRを使って調べてみました。

実験手順

 前回同様14MHzでWSPR Beaconを使って計測しています。出力は30dBm(1W)固定です。各アンテナで8回計測を行っています。EFHWの後半4回分は28MHzのエレメント部分を斜め下におろした東西に狭い角度でエレメントを開くinvVとして展開してみました。

実験結果

 まず最初にDXplorerを使ってReporterの位置関係を出してみました。今回一番遠くまで飛んでいるのは1万5千km離れたドイツの南極基地にあるDP0GVN。やはりGPが叩き出した結果でした。

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ReporterのSNRは以下の通りです。

  • EFHW(赤字部分はinvVとして展開)

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 EFHWの総スポット数は19回となりました。

  • GP

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GPの総スポット数は36回となりました。

考察

 Sメータの比較と同様WSPRでも7mHのバーチカルEFHWよりGPの方が良い結果を出しています。バーチカルEFHWはエレメントをほぼ垂直に展開することでGPを凌ぐ性能を発揮する一方、垂直部分が十分に取れず、地面に近い部分のエレメントが長くなるとかなりパフォーマンスが落ちてしまうようです。7mの釣竿ではエレメントをほぼ垂直に展開できるのは21MHzからになりますのでそれより下のバンドではGPが有利と言えそうです。
 EFHWを途中invVに変更したところ若干SNRが改善(同時ではないので厳密には比較できません)しているようですが、GPを凌ぐまでにはならないようです。

以上まとめると、DXをターゲットとした場合は、

       10mH バーチカルEFHW > GP > 7mHバーチカルEFHW

という順になりました。

 SOTAの場合、山頂へのアプローチ時間や下山時刻を考えると午前中の北米/オセアニア・昼頃迄のオセアニアがDXの中心になると思います。また国内であれば日中は7MHz/10MHzが比較的安定しています。これらを考慮した上でシチュエーション別のアンテナ選択をまとめると以下のようになりそうです。

  • 朝夕のグレイラインで北米(東海岸)やヨーロッパ等の遠地のDXを中心に狙いたい場合
    10mグラスポール + Glue-EFHW (総重量 1500g)

  • 北米西海岸・オセアニア程度のDXとローバンドの国内を時間によって分けて狙う場合
    7m釣竿 + Glue-EFHW   (総重量 540g)又は
    7m釣竿 + Glue-EFHW + GP(総重量 660g)

  • 最小限の装備でDXを狙う場合
    7m釣竿+ GP (総重量 460g)

 装備の重さやステーを張ることを厭わなければ、10mのグラスポールにGlue-EFHWを使うと一番選択肢が広くなりバンドコンディションによらずアクティベーションを楽しむことが出来ると思います。
 ここ数回の実験を通じて各アンテナの位置付けがだんだんはっきりしてきました。

笠森鶴舞自然公園(JAFF-0211)

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  久しぶりにSOTA山ではないJAFFアクティベーションをしてきました。最初から狙ったわけではなく、別件で出かける先の一部がJAFFエリアに入っていることに前日夜に気が付きました。

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 別件の装備が重たいので無線設備は最小限。先日作ったGlue-EFHWが役に立ちそうです。

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 15時過ぎに別件が終了後アクティベーション先を探します(流石にコース内は無理なので)。車を20分程走らせるとJAFF区域内で駐車場も完備した公園があるようです。早速車を走らせ公園に着くと大きなポールが立っています。移動サービスの局がちょうど撤収中でしたのでご挨拶させていただき、その後を使わさせていただきました。

早速釣り竿でEFHWを展開します。

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 あまり時間もないので14MHz一択です。WWFFのAgendaにも書き込んでみましたが国内外共にコールいただけません。VK4のスキマーにも細々と拾われているようなのですがEUまでには届きそうもないバンドコンディションです。

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 目の間に小高い丘があるので、この上でQRVすればもう少し飛びそうな気もしますが、既に疲れ切っているので1時間程CQを出してQRT。残念ながら坊主となってしまいました。

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 QRT後、丘に登ってみると素晴らしい景色が開けていました(記事冒頭)。スカイツリーの見えるスポットもあるようで日暮れ後にもかかわらず訪れる人が絶えません。

 本日は行き当たりばったりのアクティベーションで残念ながら0 QSOとなってしまいました。素晴らしい場所だったのでまた機会を設けて訪れたいと思います。

 

Glue-EFHWとGPの比較(WSPR編)

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 前回のバーチカルEFHWとGPの比較実験では、バーチカルEFHWを7mの釣竿で展開したためエレメント全体が垂直に展開できず本来の性能が出せていない可能性がありました。

 そこで普段使っている10mのグラスポールを使ってGPとの比較実験をしてみました。今回からはWSPRを使って評価をしています。

事前準備

・WSPR送信機

 AndroidアプリのWSPR Beaconを使いました。スマホのオーディオ出力とKX2のマイク入力端子を接続しVOXを用いて送受信制御をしています。またKX2はオーディオのコンプレッションやイコライザのかからないDATA Aモードを使っています。

 事前の入力レベルの調整ではKX2の出力を0Wとし、WSPR BeaconのToneボタンを押してテストトーンを入力。送信状態でALCが振らないレベルまでマイクゲインを絞っておきます。

 Ultimate3Sという専用の送信機も用意してあるのですが、現在変更申請中なので今回はおあずけです。

 

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・比較するアンテナ

 今回はGlue-EFHWを10mのグラスポールでほぼ垂直に上げてみました(記事冒頭の写真)。GPは7mの釣竿で展開。給電点は1.5m位まで持ち上げてラジアル3本を展開しています。アンテナは共にSWR 1.5以下となっています。

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実験手順

 KX2の出力を27dBm(0.5W)、30dBm(1W)に設定し、各アンテナで各々4回分のフレームをEFHW→GPと切り替えながら送信しています。

 アンテナ毎に周波数を変えることで、WSPRのデータベースを検索した際に時間・周波数でどちらのアンテナのビーコンが受信されているかわかるようにしました。1フレーム2分なので都合32分間、アンテナの切り替え等も含めると計測には1時間近く時間がかかってしまいました。

実験結果

 こちらがSpotの生データです。低い周波数(14.07000MHz)がGP、高い周波数(14.97200MHz)がEFHWとなっています。0706Zまでが27dBm(0.5W)、0724Zからは30dBm(1W)で送信しています。

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 各レポータの位置関係は以下の通り。高々1Wという出力と小さなアンテナで一万キロ近く飛んでおり、WSPRの符号化利得のご利益が素晴らしいことが良くわかります。

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考察

 短い時間ですが単純なスポット数の比較ではバーチカルEFHW 7回、GP3回とバーチカルEFHWに軍配が上がりました。バーチカルEFHWはアンテナ的にはフルサイズのバーチカルDPですので1/4λ GPとの差がでたようです。1/4λGPはもう少し給電点を上げると良い結果が出そうですが7mの釣竿ではちょっと難しそう。

 10mのポールとなると自重もあり風などの影響を考えると山頂ではステーを張らないと立てるのは難しいと思います。一方で7mの釣竿では立ち木にゴムバンド等で固定することもでき荷物も随分軽くなります。この辺のトレードオフをどうするか悩ましい結果となりました。

 そこで一つの指標としてスポットされた局までの距離の総和を装備の重さで割ったDW Ratio(Distance Weight Ratio 当局の造語です^^;;)を調べてみました。

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7m釣竿が340g、10mグラスポールが1300g、GPが120g、EFHWが200gとなります。

またGPの距離の総和は27825km、EFHWの距離の総和は48036kmとなりました。

 ここでDW Ratioを求めてみると、EFHW = 32.0km/g GP=60.5km/gと1g当たりの飛ぶ距離はGPの方が優れていることが判りました。

 なんだか良くわからない結果(^^;)ではありますが、ここではお手軽SOTAにはGPが良いのではないかという結論にしたいと思います。

今後の課題

 今回はスポット数の比較という単純な評価しかできなかったのですが、専用の送信機を導入し、同時に複数のアンテナを評価すれば具体的な差が判ると思います。またアンテナ間の距離を十分に離すことが出来るのでお互いの干渉を減らすこともできると思います。

 加えて国内が開けているタイミングで実験することで国内向け・DX向けと言われるアンテナが具体的にどの程度差があるのか調べてみたいと思います。