JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

マグネチックループアンテナの製作

 SOTAアクティベーションのHF用アンテナとしてバーチカルEFHWを愛用しています。ポール一本で狭い山頂でも上げることができ、エンドフェッドのため同軸ケーブルも短くて済み、打ち上げ角も低めとなかなか使い勝手の良いアンテナです。唯一の欠点は長いポールが必要なこと。14MHzではエレメントが10m近くになるのでポールを立てるにもステーが必要となります。

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 海外のSOTAやNPOTAのQRPアクティベーションではAlexLoopと呼ばれるとてもコンパクトなマグネチックループアンテナ(MLA)を使っている局をみかけます。SOTA仲間のJP1QEC局もMLAを製作中ということもあり、私もSOTA移動用のMLAを自作してみることにしました。

 なお、製作にあたりこちらの記事を参考にさせていただきました。

  通常ループアンテナは1周1λのエレメントとなっていますが、MLAは波長の10%以下と非常に小さなループとなっています。アンテナ自体が共振回路となっていてアンテナに流れる電流から生成される磁界成分により電波を放出、又、空間中の電波の磁界が生成する電流をとらえ受信することからマグネティックループと呼ばれるようです。

[参考文献]Loop Antenna

【SOTA移動用マグネチックループの製作】 

 今回はSOTA移動用ということで、バンドは14/18/21MHzのみ、周波数もQRP向け周波数専用とし高価な高耐圧のタイトバリコンを使わないで製作しました。

エレメント

 エレメントには5D-2V 2mを使います。実際に使用するのは周りの網線だけです。AWG22位の太いワイヤーの方が効率が良いそうですが、エレメントだけで自立させたかったため同軸ケーブルとしています。

カップリングループ

 共振時のエレメントが低インピーダンスになることからカップリングの為のコイルが必要です。通常40cm周程度の小さなループをエレメント内に設けるのですが、コンパクトにするためにトロイダルコア(FT82-43)を使いました。トロイダルコアの中心に5D-2Vの同軸エレメントを通し、リグ側にはUEWを6T巻いてカップリング用のトランスとしています。

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コンデンサ

 ループの反対側にはエレメントと共振回路を構成するためのコンデンサを付けます。5W程度でも600V以上の電圧がかかるためタイトバリコン等が必要となるのですが、今回は周波数を固定とし、同軸ケーブルを利用したコンデンサを製作しました。

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 写真では少しわかりにくいのですが、左右のM型コネクタには同軸で作ったエレメントを接続、下のBNC型コネクタの先には各バンド毎の容量に合わせて同軸ケーブルを切って作ったコンデンサをぶら下げます。

 容量についてはAA5TB局のサイトにあるExcelマクロで計算できます。実測では2mの5D-2Vのループでおよそ63pF(14MHz)、40pF(18MHz)、30pF(21MHz)でした(いずれもQRP周波数が中心)。

 調整中に同軸ケーブルを切り過ぎてしまったため、内部にも同軸コンデンサを入れてて下駄を履かせています。^_^;;

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 またバンド幅(SWR < 2.0)が50kHz程度と非常に狭いため、共振周波数を変更できるよう予備の同軸コンデンサをトグルスイッチで入れられるようにしました。

アンテナの調整

 コンデンサ部、カップリングコイル部共にブラケースに入れました。プラケースの裏には滑り止めのゴムが貼ってあります。グラスロッドを3m位展開しエレメントが円となるような位置に各々をマジックテープの付いた荷物バンドで固定しています。

 この状態で各バンドで同軸コンデンサの微調整をします。アンテナアナライザで共振点(j=0となるところ)を見つけながら同軸ケーブルを切って行きます。最後はミリ単位での調整となりますので注意しながら切って下さい。

 またループ形状を変化させることでインダクタンスが変わるのか共振周波数をずらすことが出来るようです。ループを縦方向に伸ばすことで共振周波数が下がり、縮めることで共振周波数が上がります。

EFHWとの比較

 近くの公園でバーチカルEFHWと比較してみました。当初トロイダルコアの1次側を2Tとしていた時はバンド幅が広め(100kHz)だったのですが耳が悪くEFHWと較べるとS3以上(20dB近く?)程度落ちる感じです。アサヨ峰のアクティベーションではRBNに拾われず、マーシャル島の局からは”119”を貰うなど散々でした。

 上記の通り6Tとしたところ帯域は非常に狭くなりましたが、EFHWと比較してもS2程度の差となり十分実用になりそうなレベルになりました。試しに自宅のベランダから突き出した釣り竿にぶら下げて14MHzの5W CWでQRVしてみたところ、Hawaii QSO Partyに参加中のKH6局何局かと問題なく交信することができました。

 また磁界を拾うため1λのループアンテナとは90度ビーム方向がずれるのが面白いです。サイドに持っていくとかなり切れる印象です。EFHWと異なり周囲の環境の影響を比較的受けにくい(ほぼエレメントの形状で共振周波数や共振時のインピーダンスが決まる)ので一度きちんと調整してしまえば再現性良く使えると思います。

まとめ

 安価にコンパクトなマグネチックループを作ることができました。バーチカルEFHWより性能は落ちますが、長いポールを必要とせず3m程度の釣り竿の先につけるだけでQRVできるのはメリットかと思います。次回以降のSOTAアクティベーションでぜひ実運用に使ってみたいと思います。