JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

移動用アンテナの製作

 

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 ここのところ週末に用事が入りなかなか山に登る時間が取れません。隙間の時間で移動用アンテナを幾つか作ってみました。

6m用スカイドアアンテナ

 KX2用のトランスバータを製作し、やっと6mで移動運用が出来るようになりました。6mの移動用アンテナにはヘンテナが良く使われていますが、更に構造が簡単で山岳移動に適したスカイドアアンテナを作ってみました(上の写真)。

 各エレメントのサイズはJA1HWO局のサイトのサイズそのままになっています。

給電点はこんな感じ。真中の黒いプラスチックケースにはソータバランが入っています。

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 50pFのコンデンサの代わりに32cmの1.5D-2Vをぶら下げています。作り方によって若干異なると思いますので、35cm-40cm位から切り詰めて調整するのが良いと思います。裏側はこんな感じ。5mmのアルミ棒(44cm)2本をを蝶ネジで30cmの木板に固定しています。

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上辺は90cmのアルミ棒。こちらも30cmの木板に蝶ネジで固定しています。

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上辺のエレメントは目玉クリップをボルトで繋げたこんな金具で釣竿に固定しています。

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下側のエレメントはマジックテープで釣竿に固定。

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 アナライザを付けて50.180付近が中心になるように同軸を切り詰めました。32cmのところで50.000MHz-50.850MHzでSWR 2.0以下となりました。Cが入っているためかバンド幅が狭い気もしますが、CW,SSBに出るには十分だと思います。

 MMANAに6m Skydoorのモデルがあったのでシミュレーションしてみた結果がこちら。ゲインが8.9dBi、3エレ八木ぐらいの性能となかなかのものです。

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 実際に6mをワッチしながらエレメントを回してみるとサイドもかなり切れるようです。次のアクティベーションではぜひ飛び具合を試してみたいと思います。

20/17/15mバンド用 GPアンテナ※2017/12/19改訂

 普段HFは1/2λバーチカルEFHWを愛用しているのですが、設置には10mのグラスポールが必要になり荷物がかさばるのが困り物です。そこで垂直方向が1/4λとコンパクトなGPを作ってみることにしました。参考したサイトはこちらです。

エレメントはフジクラのAWG24の耐熱ビニル線を使っています。導体の外形が0.61mmなので14MHzではHWCD_ratio = 10000mm(10m) / 0.61mm = 16.4Kとなります。こちらのグラフからみると短縮率は0.975ぐらいでしょうか。

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 ラジアルは3本用意することにしました。こちらの情報によるとラジアルは1/4λより若干長めの0.28λ~0.3λにすると良いとのことです。

 3バンド対応にするためにラジエータにはギボシを2つ入れてエレメント長を調整しています。一方ラジアルは若干長くても問題がないことからギボシを省略するために17m/15mは共用することにしました。

 給電部はアクリル板にBNCコネクタを固定して釣竿にぶら下げ、エレメントやラジアルに同軸の重みがかからないようにしました。

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 ギボシ部分はこんな感じです。ロープにロックタイでエレメントを括り付けギボシに直接力がかからないようにしています。

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 給電点は地面から1.5mから2m位。ラジアルを3方向に地面まで降ろしています。シミュレーション結果はこちら。ありふれた普通のGPです。

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 エレメントを7m弱の釣竿につけて上げてみます。

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 アナライザを付けてエレメント長を調整した結果、以下のようなサイズになりました(ラジエータは上端から3.03mと3.7mの位置にギボシを、ラジアルは端から1mの位置にギボシをつけています)。随分短めになってしまいましたが、全てのバンドでバンド内がSWR 2.0以下となったので、とりあえずこれで使ってみたいと思います。

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EFHWとの比較 

水平EFHW(3mH)
 
このアンテナと1/2λ EFHWを水平に3mHに張ったもので20mでDX局を受信して比較をしてみました。ヨーロッパやタイなどはGPの方がS1-2位良いように感じます。国際ビーコン(IBP)KH6RS/VR2B/RR9Oあたりを聞いた感じでも同様に概ねS1-2は強いようです(一部の局はサイド方向に向いていたので弱かった)。

  一方国内を聞いた感じではフロントに向いている6エリアではあまりSの違いは感じられませんでした。(近場の局については未評価です。)

・垂直EFHW(6.5mH)

   GPで使ったものと釣竿にEFHWのエレメントを付けてスローパー風にしたアンテナと比較してみました。 14MHzは1/2λで10m近くあるため近くの木にロープを結び以下のような形で展開しています。

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 こちらもIBPで確認してみたところ、若干EFHWの方が良いかほぼ同等。なんとも微妙な結果です。

まとめ

 1/4λGPにしたことで使用する釣竿を随分短くすることが出来ました。ラジアルが必要なのが狭い山頂では若干難点です。受信比較だけですが、スローパー風垂直EFHWと性能差をあまり感じないため、ラジアルが不要な分垂直EFHWが有利かもしれません。

 以上、山頂での運用を通じてもう少し評価してみたいと思います。