SOTAとJAFF
SOTAアクティベーションの対象となる山々は自然公園内にあることも多く、SOTAアクティベーションが同時にJAFF(Japan Flora & Fauna)のアクティベーションになることが頻繁にあります。ここではSOTAとの違いを中心に簡単に整理してみました。
JAFFとは
JAFFとはWWFF(World Flora & Fauna)の一環として日本国内の自然公園からの運用数や交信数を競うアワードプログラムです。JAFFアクティベーションとのQSOはWWFFのポイントとしても有効なためWWFFプログラムに参加している海外局からも呼ばれる可能性が高くなります。WWFF及びJAFFの詳細についてはJAFFのページに詳しいのでそちらをご参照下さい。
SOTAとの違い
SOTAとの関係でWWFFのルールを簡単に整理しておくと、
・アクティベーションは事前に登録された自然公園内で行う必要があります。自然公園はSOTAと同様レファレンスナンバーで識別されます。JAFFで登録された公園はJAFFレファレンスと呼ばれます(一覧はこちら)。
・車での移動や発電機の使用がOKなどSOTAにくらべ比較的要件が緩やかです。
・アワードにはアクティベーション部門とハンター(SOTAでいうチェイサー)部門があります。なお、ログ登録はアクティベータ局側からのみ行います。
・一つのレファレンスについて44局以上のQSOでアクティベーションポイントが付きます。但しSOTAと異なり複数回のアクティベーションで有効なQSOの総和が44局を超えれば良いようです。一度のアクティベーションで44局以上QSO出来なくても、ハンター側のQSOとしてカウントするため、またアクティベータ側にとってもQSO数を積算するためにログを登録します。
・ログの登録はアクティベータ自身ではなく、コーディネータ宛にADIFやCSV形式のログを送り登録してもらいます。この際、アクティベーションした場所を証明するもの(GPS表示や公園名などの入った写真)を送る必要があります。JAFFのナショナルコーディネータはjaff-log@nifty.com宛となります。
・JAFFアワードとして、ハンター部門、アクティベータ部門があります。各々11/22/44/88レファレンスとのQSO又はアクティベーション(有効なアクティベーションポイントになっているもの)で、銅・銀・金・プラチナアワードが発行されます。
また異なる33以上の国立・国定公園とのQSOによりJAFF国立・国定公園賞が発行されます。
・SOTAwatchのAlertと同様、Agendaというものがあり事前にアクティベーションを告知することができます。但し運営側でのチェック後に掲載されるため登録から公開まで時間がかかるようです(場合によっては1日近く遅れるようです)。
またSOTA山がJAFFエリア内にある時はSOTAwatchのAlertのコメント欄に"Also JAFF-XXXX"のように入れて告知することもあります。
・SOTAwatchのような専用にspotする仕組みはありません。DX Clusterなどを使うことが多いようです。なお、WWFF Agendaに登録したJAFFアクティベータをRBNで追っかける@JAFFSpotを運用中です。
SOTA山との関係
SOTAアクティベーションで悩ましいのが自分のいるSOTA山がどこの自然公園に属しているかすぐにわからないことです。少しは助けにならないかと
・JA1CTC局が提供するSOTA山リスト(地図ロイド向けブックマーク)
・国土地理院地図のデータ
・JAFFリスト
からQGSを使って対応関係地図を作製しました。データの検証にはJAFFのナショナルコーディネーターのJA1JCF局にご協力いただきました。詳細はJAFF/SOTAのメーリングリストのアーカイブ又は当局までお問い合わせ下さい。
最終的にはQGSからGeoJSON形式等でデータを出力しGoogleMap等と連携した地図を作成予定です。
以下、マップの作り方の作業メモです。
・国土地理院のKsjToolをダウンロードし、自然公園地図をxml形式からShape形式へ
・DBFファイルのPNC列に領域の領域名コードが入っているのでコードリストから自然公園の名称に読み替え。さらにこの名称からJAFFレファレンスリストをひき、JAFFコードへ変換。
・QGSのベクタレイヤの追加でShape形式ファイルを追加。領域ラベルの表示で先ほどのJAFFレファレンス名に変換した列を指定し表示する。
・SOTA山リストのCSVファイルをデリミテッドテキストファイルの追加で取り込む。(X座標=経度、Y座標=緯度で列順が逆になるので注意)ラベルとしては一列目の山名を表示するように。
・QGSにOpenLayersプラグインを追加し、Google Mapのレイヤを追加。
運用方法
事前にWWFFのAgendaに登録(一番下のAdd your activation to the WWFF AGENDAから追加します。ログインは不要です)するとコールされる確率があがると思います。前述の通り掲載までに時間がかかるので早めに登録を済ませた方が良いかと思います。
SOTA同様、CQ時にコールサインの後にレファレンスナンバーを入れるようです。
CWだとこんな感じでしょうか。
例: CQ CQ CQ DE JL1NIE/1 JL1NIE/1 SOTA JA/KN-005 ES JAFF-0050 AR
また73/88のかわりに44を送る習わしがあるようです。
ログの提出
ADIFまたはCSV形式でナショナルコーディネータ宛に送ります。詳しいログの作り方はこちらにあります。
WWFFではFLE(Fast Log Entry)というプログラムの使用を薦めています。今回Hamlogから出力したCSVファイルを手修正でFLEログに変換しADIFを出力してみました。ログをとてもコンパクトに記述できるので、紙ログの代わりに今後現場で使ってみようかと思います。
ログの記載例
解析後のログ
尚、JAFFコーディネータにADIFログを送付される際はログファイルの取り違えを防ぐために、
コールサイン@ JAFF-XXXX yyyymmdd.adi
というファイル名が推奨されるとのことです。
例:JL1NIE@JAFF-0050 20171223.adi
以上、簡単でしたがSOTAを楽しまれている各局向けにJAFFのご紹介をしてみました。