JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

Glue-EFHWとGPの比較(WSPR編その2)

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 昨日のJAFF-0211のアクティベーションでは7mの釣竿で上げたGlue-EFHWが今一つ不発でした。先日の実験の通り10mのグラスポールで上げたGlue-EFHWはGPを凌ぐ性能を発揮する一方、7mの釣竿ではGPに較べS=1~2程度低く今一つ性能が出ないことが判っています。そこで今回は7mHのバーチカルEFHWとGPがどの程度の差があるのかWSPRを使って調べてみました。

実験手順

 前回同様14MHzでWSPR Beaconを使って計測しています。出力は30dBm(1W)固定です。各アンテナで8回計測を行っています。EFHWの後半4回分は28MHzのエレメント部分を斜め下におろした東西に狭い角度でエレメントを開くinvVとして展開してみました。

実験結果

 まず最初にDXplorerを使ってReporterの位置関係を出してみました。今回一番遠くまで飛んでいるのは1万5千km離れたドイツの南極基地にあるDP0GVN。やはりGPが叩き出した結果でした。

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ReporterのSNRは以下の通りです。

  • EFHW(赤字部分はinvVとして展開)

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 EFHWの総スポット数は19回となりました。

  • GP

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GPの総スポット数は36回となりました。

考察

 Sメータの比較と同様WSPRでも7mHのバーチカルEFHWよりGPの方が良い結果を出しています。バーチカルEFHWはエレメントをほぼ垂直に展開することでGPを凌ぐ性能を発揮する一方、垂直部分が十分に取れず、地面に近い部分のエレメントが長くなるとかなりパフォーマンスが落ちてしまうようです。7mの釣竿ではエレメントをほぼ垂直に展開できるのは21MHzからになりますのでそれより下のバンドではGPが有利と言えそうです。
 EFHWを途中invVに変更したところ若干SNRが改善(同時ではないので厳密には比較できません)しているようですが、GPを凌ぐまでにはならないようです。

以上まとめると、DXをターゲットとした場合は、

       10mH バーチカルEFHW > GP > 7mHバーチカルEFHW

という順になりました。

 SOTAの場合、山頂へのアプローチ時間や下山時刻を考えると午前中の北米/オセアニア・昼頃迄のオセアニアがDXの中心になると思います。また国内であれば日中は7MHz/10MHzが比較的安定しています。これらを考慮した上でシチュエーション別のアンテナ選択をまとめると以下のようになりそうです。

  • 朝夕のグレイラインで北米(東海岸)やヨーロッパ等の遠地のDXを中心に狙いたい場合
    10mグラスポール + Glue-EFHW (総重量 1500g)

  • 北米西海岸・オセアニア程度のDXとローバンドの国内を時間によって分けて狙う場合
    7m釣竿 + Glue-EFHW   (総重量 540g)又は
    7m釣竿 + Glue-EFHW + GP(総重量 660g)

  • 最小限の装備でDXを狙う場合
    7m釣竿+ GP (総重量 460g)

 装備の重さやステーを張ることを厭わなければ、10mのグラスポールにGlue-EFHWを使うと一番選択肢が広くなりバンドコンディションによらずアクティベーションを楽しむことが出来ると思います。
 ここ数回の実験を通じて各アンテナの位置付けがだんだんはっきりしてきました。