JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

黒檜山(JA/GM-023)

f:id:CentralAttack:20190319000037j:plain
 週末、雪山登山の練習も兼ねて群馬県赤城山の最高峰 黒檜山(くろびやま JA/GM-023)をアクティベーションしてきました。

 新宿から埼京線上越新幹線・上毛線を乗り継ぎ前橋市へ。朝8:45発の直通バスで赤城山ビジターセンターに向かいます。今年は雪が大変少ないようで道路は乾いたまま。やっと大沼近くになって路肩に雪が見えて来ました。

 駐車場もご覧の通りほぼ雪がありません。目指す黒檜山(写真左)も山肌があちらこちらで見えています。

f:id:CentralAttack:20190319220237j:plain

 こちらは黒檜山登山口。雪もまばら。雪山登山のつもりでピッケル・ヘルメットまで持ってきたのですが出番はなし。チェーンスパイクを自宅に置いてきてしまったのが悔やまれます。

f:id:CentralAttack:20190319220456j:plain

それでも少し登ると雪も増えてきました。登山道は最初から斜度があり最後までなかなかの急登でした。

f:id:CentralAttack:20190319221124j:plain

振り返ってみると凍り付いた大沼が見えます。湖上にはワカサギ釣りのテントが沢山みえます。その向こうにある山頂にアンテナが立っている山が地蔵岳です。

f:id:CentralAttack:20190319212901j:plain

登山口から1時間15分程で黒檜山の頂上へ到着。途中から山頂を雲が覆い始め残念ながら山頂からの絶景は拝めませんでした。

f:id:CentralAttack:20190319221714j:plain

 山頂は狭くハイカーも多いため、少し降りたところにシャックを構えます。アンテナを張り終えたところで雪が降り始めてしまいました。降り積もる雪を避けながら14MHzからQRV。1エリアのチェイサー各局のコールの合間に沖縄のアクティベータ局とS2S。RBNを見るとそれなりに飛んでいるようですが続きません。

f:id:CentralAttack:20190319221930j:plain

 そのうち雪もひどくなってきたため規定局数をこなしたところでQRTとさせていただきました。帰りは駒ケ岳に寄って帰ろうかとも思ったのですが、最後の階段を12本爪アイゼンで降りるのもしんどそうなので行きと同じ道をピストンとしました。

 早めに下山したの大沼付近を散策。湖面は完全に凍り付いています。機会があればワカサギ釣りも面白そうです。

f:id:CentralAttack:20190319224212j:plain

 本日は残念ながら天候に恵まれずショートQRVになってしまいましたが機会をみて再トライしてみたいと思います。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

DE-5000電池内部抵抗測定アダプタの製作

f:id:CentralAttack:20190217202927j:plain

 数年前に入手した3セルのリチウムイオン電池のヘタリ具合を調べるために、電池の内部抵抗を測定できるLCRメータ DE-5000用アダプタを作ってみました。

 電池の内部抵抗は直流法と呼ばれる0.5C/1.0Cで負荷に電流を流した場合における端子間の電圧差を電流差で割って求める方法と、交流法と呼ばれる1KHzの交流を電池に印可した時のインピーダンスによって求める方法があります。いずれの場合も電極や電解液の劣化を内部抵抗の増加として検出することができます。更に印可する周波数を変えて内部インピーダンス複素平面上で解析する「電気化学インピーダンス測定」により、電解質の状態を表す「溶液抵抗」と、電極の電気二重層の「コンデンサ」及び電極性能を示す「電荷移動抵抗」が並列になった回路とが直列に接続されている「電池の等価モデル」のパラメータを推定し、電解質の劣化や電極の劣化の度合いを知ることも出来ます。

 DE-5000は4線ケルビン接続ができる端子を持っており、リード線の影響を受けずにmΩオーダーの微小抵抗を計測することができます。またLCRメータでは1KHzのインピーダンスを計測することも出来ます。ただし電池自体が起電力を持っていますので、内部インピーダンスを測るためにはDC分をカットするためのコンデンサを追加する必要があります。

 DE-5000を簡易内部抵抗測定器とする改造はすでにネット上に情報が沢山あります。今回はこちらの記事を参考にケルビン接続アダプタを改造してセルの内部抵抗を測ってみました。

材料

DE-5000のテストリードケースTL-21と、1μFのフィルムコンデンサ、1.5MΩの電荷放出用のカーボン抵抗、TL-21のリード線が短すぎて使いにくかったので2線シールドケーブルで延長リード線を作りました。

f:id:CentralAttack:20190217212037j:plain

作り方

前述のこちらのサイトを参考しています。

まずはDCカット用のコンデンサを追加するためにTL-21のSense/Force線共にパターンカット。

f:id:CentralAttack:20190217212732j:plain

1μFのフィルムコンデンサと、Sense側のコンデンサ電荷放出用の1.5MΩを取りつけました。1.5MΩはパターンを跨ぐためショートしないように熱収縮チューブで覆っています。またTL-21のリード線を外して50cmの2芯シールドケーブルで延長し、先端のミノムシクリップの部分でシールド線の赤線・白線を接続しています。なおシールドはクリップに接触しないように熱収縮チューブ等で加工してください。

f:id:CentralAttack:20190217213018j:plain

最後にテスターで各端子の導通チェックとSense/Force線がDC的に切れているか確認し、基板をケースに戻して完成です。

計測してみた

(1)アルカリ電池

まずはアルカリ電池から。端子への当て方でかなり抵抗値が変わるため電池ボックスに入れて計測しています。こちらはまだ新しいセブンイレブンのアルカリ電池。142mΩでした。

f:id:CentralAttack:20190217231337j:plain

次に自宅の廃電池入れから拾ってきたアルカリ電池。251mΩとかなり高めです。

f:id:CentralAttack:20190217231456j:plain

(2) エネループ

次に近くに転がっていたエネループを測ってみました。2本を測ってみて121mΩと108mΩ。

f:id:CentralAttack:20190217213352j:plain

充電器が充電エラーを出し始めるのが200mΩぐらいらしいので、そこそこ優秀です。電池ごとにバラつきがあるようなのでリフレッシュ充電しておくことにしました。

※二度リフレッシュした後の内部抵抗はこちら。

f:id:CentralAttack:20190220005203j:plain

二つとも71mΩに復活しています。

(3)鉛蓄電池

次は秋月のシールドバッテリーです。

f:id:CentralAttack:20190218222150j:plain

509mΩ。もう何年も充電していないのでサルフェーションおこしてるかも知れません。

(4) リチウムイオン電池

いつもアクティベーションで利用している3セルのリチウムイオン電池です。数年間にハムフェアで出回っていたものを融通していただきました。

f:id:CentralAttack:20190217214443j:plain

 保護回路としてセイコーインスツルメンツのS8233Aを使っており各セルの電圧をモニタしています。充放電の切り替えにはPch MOS FETの4435Dを使っています。内部接続はこんな感じ(7M4EZB局に教えていただきました)。3セルまとめて充放電の制御をしているためセルバランスが崩れていないか気になります。

f:id:CentralAttack:20190217214202j:plain

セル毎の電圧を測るため、ちょっと勿体ないですがパッケージをはがしました。

f:id:CentralAttack:20190217214621j:plain

 計測した結果、各セルの内部抵抗は65mΩ、57mΩ、74mΩとなりました。若干低すぎるような気もしますが、ほぼ新品に近い状況のようです。セルパッケージ3個をローテーションして使っているため、月に1度フル放電するかしないかというレベル。まだまだ行けそうな感じです。

最後に

セルバランスが崩れていたらセルバランサのついたBMSでも付けようかと思ったのですが、とりあえず大丈夫そうでした。最近のラジコンやドローン用のバッテリはバランス充電用の端子もついているようですので互換コネクタを付けて、このような充電器で充電するも良さそうです。

 

スカイドアアンテナのコンパクト化

f:id:CentralAttack:20190211121624j:plain

以前作成したSkydoorアンテナですが、収納時のサイズが大きすぎて出番が少ないためコンパクトに改造してみました。

jl1nie.hatenablog.com

エレメントの改造

元記事ではエレメントが90cmもありザックで持ち運ぶには長すぎです。今回は折りたためるように改造してみました。カナノコで半分に切り、途中をビニール線で接続。蝶ネジで固定するところは一緒。上が給電部、下がトップエレメント部分です。

f:id:CentralAttack:20190209223038j:plain

使う時はこのように展開しダボにエレメントをひっかけ、目玉クリップで釣り竿に固定します。

f:id:CentralAttack:20190209223253j:plain
エレメントを折りたたむと全長45cmになるのでザックの横ポケットにも収納できます。

給電部の改造

オリジナルの製作記事ではバランが必要とありますが、フロートバランなので特になくても問題ないだろうということで省略。同軸キャパシタもかさばるのでセラミックトリマに変更しました。

f:id:CentralAttack:20190127183621j:plain

エレメントの調整

釣竿には目玉クリップを使って固定しています。給電部は釣り竿にはマジックテープで固定しています。給電部を釣竿で2mぐらいまであげてトリマを調整します。

f:id:CentralAttack:20190211121624j:plain

縦エレメントの長さは2.3m。トリマコンデンサを調整してSWRを下げたところ下記のような感じになりました。SWRが2以下となる帯域は1MHzぐらいのようです。

f:id:CentralAttack:20190211121852j:plain
かなり簡素な作りにしたので耐久性に若干不安がありますが、実際のSOTAアクティベーションで試してみたいと思います。

縞枯山(JA/NN-037)

f:id:CentralAttack:20190203111841j:plain

 前回の北八ヶ岳 北横岳のアクティベーションに引き続き、縞枯山(JA/NN-037)に行ってきました。山頂駅までのルートは前回と同じ。山頂駅から直進して縞枯山荘・雨池峠を経由して縞枯山を目指します。

先週まとまった雪が降ったようで、前回に比べるとずいぶん雪山らしくなりました。

山頂駅から10分ぐらいあるくと縞枯山荘に到着。ハイカーが多く登山道は圧雪されているので、ここまでワカンの出番はありません。

f:id:CentralAttack:20190203112705j:plain

こちらは縞枯山荘。この時間はまだ開いていません。

f:id:CentralAttack:20190203113233j:plain

雨池峠で進路を右にとり縞枯山に取りつきます。登山道は踏み固められていますが、ちょっとでも外れるとズボズボと膝上まで埋まります。ワカンを付けようかと思ったのですが、山頂近くの登りが急登なので12本爪アイゼンだけとしました。

最初のうちは緩やかな登りで踏み抜きさえ注意すれば問題ありません。

f:id:CentralAttack:20190203202544j:plain

最後の10分ぐらいが案の定なかなかの急登で慣れないアイゼンに苦労しました。

f:id:CentralAttack:20190203113725j:plain

どうにかこうにかして登りつめ山頂へ。山頂駅から1時間弱で到着でした。

f:id:CentralAttack:20190203114045j:plain

山頂は狭く、風が強いため舞い上がった雪が常に降ってきます。山頂の木々もこんな感じ。

f:id:CentralAttack:20190203114505j:plain

辺りにアンテナを固定するものがないので雪にトレッキングポールを突き刺し釣竿を固定しました。あまりの風に根元付近から釣竿がたわんでいます。

f:id:CentralAttack:20190203114747j:plain

エレメントをきちんと展開できないためSWRが若干高めです。先日の教訓もあり20cm程度の追加エレメントを付けたところSWR=1.2ぐらいまで落ちました。EFHWの給電点インピーダンスは周りの環境で大きく変わるので、このような追加エレメントを長さを変えていくつか用意しておくと良いようです。

f:id:CentralAttack:20190203115115j:plain

早速14MHzからQRV。伝搬状態が良かったようでVK/ZLに加え、この時間でもWからコールいただけました。18MHzでもZLがS7-8まで振っています。一方で国内の伝搬状況は今一つ。1エリアを中心にコールいただけました。10MHzにおりてCQを出すも空振り。アンテナが今一つに加え国内伝搬も冴えないようでした。

お昼近くになり山頂も混んできたのと、そろそろ寒さに耐えかねてきた(-10℃近くありました)のでQRTです。

f:id:CentralAttack:20190203120234j:plain

昼食後に付近を少し散策。

こちらは山頂から少し先の稜線からみた中央アルプスの山々。

f:id:CentralAttack:20190203124445j:plain

 その先の展望台と呼ばれる岩場の頂上からみた八ケ岳の峰々です。

f:id:CentralAttack:20190203124541j:plain

こちらは東側の様子。Google先生がパノラマにしてくれました。

f:id:CentralAttack:20190203202641j:plain

国内伝搬は冴えませんでしたが久しぶりに北米ともQSOでき、雪山も楽しめた充実したアクティベーションになりました。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

北横岳(JA/NN-032)

f:id:CentralAttack:20190113232306j:plain

 本年最初のアクティベーションとして北八ヶ岳の横岳(北横岳)JA/NN-032に行ってきました。せっかくの三連休だったのですが所用の為、日帰りの慌ただしいアクティベーションになりました。

 中央線の始発に乗り、茅野駅についたのが7時46分。10分後に出発の北八ヶ岳ロープウェイ行きのバスに乗り換えます。8時50分近くに北八ケ岳ロープウェイに到着。既に駐車場には沢山の車が停まっており、9時始発は満員で乗れません。

f:id:CentralAttack:20190113233401j:plain

 といってもこのシーズン10分間隔で運行しているのであっという間に山頂駅へ。山頂駅はハイカーやスノーボーダーでごった返しています。

f:id:CentralAttack:20190113233716j:plain

 今日は天気にも恵まれ山頂駅からは中央アルプスの山々(中央)や御嶽山(右手)がみえています。

f:id:CentralAttack:20190113234227j:plain

 あまり景色にみとれていると時間がなくなるので早々に装備を点検。最近新調した靴やクランポンの試し履きも今日の目的の一つです。

f:id:CentralAttack:20190113234532j:plain

山頂駅から坪庭をめぐり北横岳へ向かいます。

f:id:CentralAttack:20190113234824j:plain

 大変ポピュラーなルートでハイカーも多く、登山道も圧雪もされており楽に歩けます。山頂駅から一時間弱で北横岳ヒュッテに到着。

f:id:CentralAttack:20190113235227j:plain

ここから10分ぐらいでまずは南峰に到着。

f:id:CentralAttack:20190113235541j:plain

 北に少し進むと2480mの北峰に到着です。APRSのビーコンもやっとここで捉えられWelcomeメッセージが飛んできました。

 山頂はハイカーでごった返しているので、なるべく景色の悪い隅にシャックを展開しアンテナを上げさせてもらいました。

f:id:CentralAttack:20190113235840j:plain

 トランス式チューナの動作もばっちり。14/18MHz共にうまくマッチングできているようです。エレメントの上げ下ろしをせずにバンド変更できるのは今回のように狭く混雑した山頂では大変便利です。

 早速14MHzからCQを出しますが、伝搬状況が悪いのかなかなか続きません。その後18MHzに行ってみても同様です。仕方がないので10MHzへ。チューナをLC共振器付きに変更してみました。

 普段ならすんなりチューンできるのですがSWR 2.0をなかなか下回らず、なんどかエレメントやラジアルの展開方法を変えてどうにか運用することにしました。今日は山頂が雪に覆われているため、いつもアンテナ調整している地面と比誘電率が異なるためか随分挙動が違います。

 それでもどうにか4エリア、8エリア、HLともQSOすることができました。JA/SN-116をアクティベーション中のJA4RQO局からもコールいただき今年最初のS2Sとなりました!

 こちらがRBNのレポート状況です。思ったよりは飛んでいるようですが1/4λとして使うにはエレメントやラジアルの展開方法をもう少し考えた方が良さそうです。

f:id:CentralAttack:20190114001907p:plain

 運用開始してから1時間半。天気が良いといっても山頂は大変寒くそろそろ身体が冷えてきました。スマホも外に出しておいたらハングアップしてしまう始末。そろそろ撤収です。帰り道、南峰からみた八ケ岳連峰の峰々の絶景。

f:id:CentralAttack:20190113232306j:plain

北側には荒船山妙義山もみえています。

f:id:CentralAttack:20190114002802j:plain

 日がかげると登山道も一部凍るところが出来てきますが、特に問題もなく下山。最後もロープウェイであっという間に麓に到着。かなりサボり気味のアクティベーションでしたが、日帰りで雪山を堪能することができました。

f:id:CentralAttack:20190114003226j:plain

本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

EFHWアンテナの比較(チューナ編)

f:id:CentralAttack:20190112115046j:plain

前回に引き続きEFHWアンテナの比較です。今回はLC共振器付きチューナとトランスのみのチューナでどの程度差があるのか調べてみました。以前RBNにより比較した結果では大きな差がなかったのですが、WSPRで詳細に調べてみました。

実験準備

前回同様WSPRを使い、30dBmで6フレーム分送信しています。フレーム毎にチューナのみ切り替え、全体のスポット回数を調べてみました。エレメントはBagworm-EFHWで使っているトラップ付きバーチカルを10m竿を使って鉛直方向にフルに展開したものです。

実験結果

今回も伝搬状況が良くVK/ZLから西海岸まで飛んでいます。

f:id:CentralAttack:20190112115802p:plain

総スポット数は58スポット、LC共振器付きチューナが28スポット、トランスのみのチューナーが30スポットになりました。

こちらがLC共振器付きチューナを用いた場合のスポット状況。

f:id:CentralAttack:20190112115956p:plain

こちらはトランスのみのチューナを用いた場合のスポット状況です。

f:id:CentralAttack:20190112120101p:plain

QSBもあるため直接のSNRは比較できませんが大きな違いはないようです。

考察

RBNを使って実験した時と同様、チューナによる大きな違いはありませんでした。
両チューナとも負荷を付けた場合のQまで計測していませんが、選択度の違い以外に大きな相違は無いようです。ハイバンドの運用のみの場合は軽量なトランスチューナを使うのが良さそうです。

 

EFHWアンテナの比較

f:id:CentralAttack:20190106172816j:plain

正月休み最終日、JG1GPY局のご協力のもと、先日作成したBagworm-EFHWとフルサイズのEFHWアンテナをWSPRを使って比較してみました。

フルサイズEFHWとの比較で検証したかったポイントは以下の2点です。

  1. トラップによりエレメントが短縮されているがどの程度影響があるのか?
  2. 10mの釣竿で鉛直に展開した場合と、7m程度の釣竿で途中で折り曲げて展開した場合にどの程度差があるのか?

実験方法

14MHzでWSPRを30dBmで送信し、以下のように展開方法を変えたアンテナを交互に切り替えながら6〜10フレーム送信します。

f:id:CentralAttack:20190106175636p:plain

次に各アンテナにおけるレポータからのSNRのレポート回数を比較し(QSBがあるためSNRの値そのものは比較していません)、その結果でアンテナの優劣を判定することにしてみました。実験結果はWSPR.orgのスポットサーチからダウンロードしたものを表計算ソフトに貼り付けたもので集計しています。また送信時刻でアンテナの種別を区別できるようにしました(下表)。レポータのマップはSOTABeamsのDXPLORERを使っています。

f:id:CentralAttack:20190106181037p:plain

 

実験1

今回の実験で電波の届いたレポーターのグリッドロケータを示したマップです。本日は伝搬状況が良かったようでVR2、VK、西海岸からもレポートがありました。

f:id:CentralAttack:20190106175302p:plain

最初の実験では以下のような条件でアンテナを設営してみました。
・アンテナ1:フルサイズのEFHW(LC共振器付きチューナ)を10m竿で鉛直に展開

・アンテナ2:Bagworm-EFHW(マッチングトランス)を7m竿でL字に展開

結果1

アンテナ1が42回のスポット、アンテナ2が28回のスポットとなりました。いずれのアンテナでもVK/W西海岸まで届いていますが、フルサイズの方が国内も含め、より多くの局からレポートうけています。

 

実験2

今度はアンテナの展開方法を逆にしてみました。

・アンテナ1:Bagworm-EFHW(マッチングトランス)を10m竿で鉛直に展開

・アンテナ2:フルサイズのEFHW(LC共振器付きチューナ)を7m竿でL字に展開

結果2

アンテナ1が45回のスポット、アンテナ2が41回のスポットになりました。いずれも国内外からのレポートがありますが、前回ほど差は出ていません。

 

実験3

実験2と同じアンテナの条件で距離が100km以内の直接波で比較してみました。

・アンテナ1:Bagworm-EFHW(マッチングトランス)を10m竿で鉛直に展開

・アンテナ2:フルサイズのEFHW(LC共振器付きチューナ)を7m竿でL字に展開

結果3

下記の表のBagworm3がアンテナ1、Bend2がアンテナ2になります。

f:id:CentralAttack:20190106224207p:plain

スポット数に違いはありますがSNRはそれほど大きな差は無いようです。

 

実験4

実験2と同じアンテナの条件でDXを中心に比較してみました。

・アンテナ1:Bagworm-EFHW(マッチングトランス)を10m竿で鉛直に展開

・アンテナ2:フルサイズのEFHW(LC共振器付きチューナ)を7m竿でL字に展開

結果4

実験3同様、下記の表のBagworm3がアンテナ1、Bend2がアンテナ2になります。

f:id:CentralAttack:20190106225303p:plain

こちらではスポット数がアンテナ1では17回、アンテナ2では16回となっています。伝搬状態は思ったより安定してるようで同じレポータのSNRに大きな変化はありませんでした。(若干アンテナ1の方が良いSNRになっているような気がしますが微差か?)

考察

以前の実験の通り、10mの竿で展開したフルサイズのEFHWに比べて、7mの竿で展開したL字型のEFHWは性能が劣化することが判りました。

jl1nie.hatenablog.com

またフルサイズのEFHWはトラップで短縮されたBagwormに比べて途中で折り返した際の影響が若干少ないようです。トラップコイルの影響で電流腹の位置が下がっているため、より影響を受けているのかも知れません。トラップコイルの影響は思っていたより大きかったようです。

一方、Bagwormでも10m竿で垂直に展開すれば、ほぼフルサイズ並みの性能を発揮することも判りました。ただ10m竿を展開するとなると竿の重さに加えてステーやペグ等が必要となるため荷物が増えるのが難点ですね。

今後実際のアクティベーションで使い勝手も含めて各アンテナの評価を続けていきたいと思います。

 

2019 QSOパーティ参加

f:id:CentralAttack:20190105215532j:plain

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 今年もQSOパーティに参加してきました。今回で3回目の参加です。QSOパーティ当日は親戚回りをしていることが多く20局を確保するのが大変な状況です。今年は比較的電波の飛ぶ自宅の430MHzと、まったく電波の飛ばない住宅密集地の7MHzの組み合わせでどうにか規定局数に達することができました。

こちらは住宅密集地で先日のBagworm-EFHWを展開した様子です。

f:id:CentralAttack:20190105220152j:plain


 地上高4m足らずですのでほとんと鉛直方向に打ち上げていると思います。また地形上、3-4エリアのある西方向が少し高くなっており仰角30度ぐらいまで空が見えない状況です。そんな状況でも2日午後には3-4エリアが入感していたのですが、例年の通り大苦戦。6局QSOするのが精一杯でした。普段近くの小高い公園でアンテナ調整をしている際にはちょっとしたパイルアップでもコールバックして貰えるのですが、同じアンテナでも環境が異なるとまったく状況がちがいます。

 V/UHF帯の見通し距離の通信ではフレネルゾーンを確保できるかが良い伝搬の為には必須になるようです。フレネルゾーンは2点間の最短経路からの伝搬パスの差が半波長以内に収まる伝搬パスが存在する範囲で、この中にある遮蔽物が少ないほど伝搬損失が少なくなります。

http://circuitdesign-jp.check-xserver.jp/wp-pre/wp-content/uploads/2018/08/frenel-image1.png

山岳移動の際、山頂では遮蔽物がほとんどない状況ですのでV/UHFにとっては絶好の環境となります。電離層反射を用いるHF帯では高さ方向を如何に稼ぐかより、目指す打ち上げ角の方向に遮蔽物がないかということが重要になるかと思います。HF帯で一番飛ぶのは見晴らしの良い海岸沿いと言われていますが、これはフレネルゾーンに遮蔽物がないことに加え、海面における反射をフルに活用できるところがポイントなのだと思います。今回の環境は目指す打ち上げ角の方向は遮蔽物だらけでこのような結果になってしまったと思われます。屋根の上にバーチカルでも上げられればもう少し状況は改善するのかもしれませんが、ノイズや景観の問題もあり都市部の無線家には悩ましいところです。来年のQSOパーティは10mのポールを2階のベランダから生やして様子をみてみようと思います。