移動用ログ生成ツール 「FLE Online」
はじめに
SOTAアクティベーションのログはこれまで紙に手書きしていました。とても悪筆なため自宅に帰ってからログをみるとコールサインが判読できなかったり、HamLogへの入力など億劫なことが多く、SOTAデータベースへの登録が遅れることもしばしばでした。
現在はまだ試験運用中ですが、SOTAデータベースもスマホのGUIでも使えるようになってきています。
スマホ環境だけでログの入力からデータベースへの登録ができると便利そうですが、残念ながらSOTA/JAFFのログ生成までやってくれるログ入力ソフトは見当たりません。
WindowsではFLE(Fast Log Entry)という、コンパクトなログ入力からSOTA用CSVファイル、WWFF用ADIFファイルまで生成してくれる優れもののアプリがあります。ただ残念なことにスマホ版がありません。
そこで夏休みを利用してSOTA/JAFF移動運用向けに、ブラウザからオンラインでFLEの必要最小限の機能を使える「FLE Online」を作ってみました。
使い方
1.テキストログ入力環境をスマホに構築
FLEの入力はテキストになります。スマホでオフラインでテキスト入力できる環境を整えます。テキストエディタとして私はQuickEditを愛用しています。また後程必要になりますのでZArchiverなどのZIPファイル展開ソフトもインストールしてください。
2.ログ入力
運用時には先ほどのテキストエディタでログを入力します。FLEの入力ログ形式はかなり特殊ですが、キータッチを最小限にする工夫がされておりとても便利です。尚、FLE Onlieではコメントの取り扱いが異なります※。
※FLE OnlineではオリジナルのFLEのQSO Message/Remarksの取扱いを以下のように変更しています。
<オペレータ名> : オペレータ名をAirHamLogの「相手の名前」とHamLogの「Name」に展開します
{ リマークス } : リマークスをAirHamLogの「メモ」と HamLogの「Rmks1」の相手リファレンスの後に展開します。
運用時はオフラインでQuickEditを使って以下の様に入力しています。途中でアプリが落ちても大丈夫なようにオートセーブを設定しています。名前やリマークス、QSLメッセージでは漢字入力も可能です※※。
※※ファイル保存時の文字コードはUTF-8を指定してください。
外付けのBluetooth対応キーボードがあると入力が楽になると思います。
3. FLEログのアップロード
スマホで以下のリンクを開き、タブ「FLE Onlie」を選択し、「Load FLE Log」のボタンを押してください。ファイル選択画面になりますので、先ほど入力したファイルを選択しアップロードして下さい。
実際の画面はこちら。左下にボタンがあります。
4. FLEログの変換
アップロードが完了すると以下のように画面下部のテキストエリアにログが取り込まれます。次に真中の「Interpret」のボタンを押して下さい。オンラインでFLEのログを解釈し、上段にログリストが表示されます。
ログに間違いがあった場合は下記の様に該当行にエラーが表示されますので、テキストエリアでログを編集し、再度「Interpret」ボタンを押して変換してください。
5. SOTA/WWF/HamLog/AirHamLogファイルの生成
「Generate Logs」ボタンを押すとログの生成を行います。
・ログ生成時にFLEの構文エラーがあるとエラーメッセージをコメントに入力したFLEログをダウンロードします。訂正後、再度アップロードしてログ生成を行って下さい。
・ログ生成に成功すると以下のログファイルが入ったZIPファイルがダウンロードされます。
・SOTAアクティベータ用CSVファイル
アクティベーション日毎に分割したCSVファイルと、S2S交信登録用のCSVファイル。
・WWFFアクティベータ用ADIFファイル
コーディネータに送付するADIFファイル。ファイル名は「コールサイン@リファレンス 日付.adi」と自動生成します。JAFFの場合、jaff-log@nifty.com宛までメールしてください。
・HamLog用インポートファイル
QSLカード印刷用にHamLogインポート用のCSVファイル※を生成します。
変換時にはRemarks1に相手局のSOTA/WWFFリファレンスが、Remarks2にFLEのqslmsgの記載が入ります。
・AirHamLog用インポートファイル
最近評判のAirHamLogのインポート用のCSVファイル※も生成します。
※文字コードをUTF-8に変換してあります
変換時には、相手のQTHに相手局のSOTA/WWFFリファレンスが、自分のQTHにFLEのqslmsgの記載が入ります。尚、インポートはPCのみから可能とのことです。
・FLEログファイル
ブラウザ上で編集した結果を残すため、ログ生成時のFLEログファイルも入っています。
HamLogインポートファイル・AirHamLogインポートファイル・FLEログファイルはGoogle DriveやiCloud等でパソコンに取り込み、各種ツールへのインポートやマスタログとして保存するようにしてください。
こちらは実際のZIPファイルの中身です。
6.SOTAデータベースへの登録
ZIPファイル展開ソフトで展開後、必要なファイルをSOTAデータベースへ登録すれば完了です。
最後に
FLE Onlineは本家FLEに比べると機能がとても限定されており、リアルタイムでのログフォーマットチェックもできないため大量のログ入力には向いていないと思います。
一方でスマホだけでログ入力からアップロードまでできるため、SOTAアクティベーションなど比較的交信数の少ない移動運用ではそこそこ使えるのではないでしょうか。
以上、不具合・ご要望事項がありましたらTwitterのDM ( @jl1nie ) 等でご連絡ください。