Glue-EFHWのマルチバンド化
先日作成したGlue-EFHWのマッチングボックスが思いのほか帯域が取れることが判ったので40-10mバンドへ多バンド化をしてみました。といってもやっていることは簡単で普通のギボシダイポールを端から給電しているだけです。
ギボシダイポールと異なるところはギボシの位置が非対称になることです。これを活かしてDXを狙う20mバンドから上は打ち上げ角の低いバーチカルに、国内が中心となる30m/40mバンドはInverted-Vとしてみました(もちろんハイバンドをInv-Vにしてもかまいません)。
早速いつもの見晴らし公園でエレメントの調整をしてみました。アナライザで実測してみたエレメント長はこちら。エレメントの線材やマッチングボックスの作りで微妙に違ってくると思うので現物合わせが必要です。(※2018/1/6更新)
ギボシの位置は以下の通りです。バーチカルとして使う際には下側のギボシを外していくことで釣竿を下ろさずにバンド変更が出来るようにしてみました。
マッチングボックスのすぐ先にギボシをつけて、バーチカルとして使う場合はここでエレメントを切り替えます。マッチングボックスの先の同軸ケーブル(3m)はカウンターポイズにもなっているので、コネクタ等で同軸を取り付けるのではなく固定長のケーブルにしました。
エレメントにはギボシが沢山付くので判りやすいようマーキングしておきます。ギボシの接続方法はいつもの通りロープを使った手抜きをしています。
6mぐらいの釣竿で展開してみたイメージです。15mバンドより上はこんな感じ。
20m/17mバンドは途中で折り曲げて使います(実物は一番上の写真)。
40m/30mバンドは普通のInv-Vとして展開。
40mは20m用エレメントの端が、30mは20m用エレメントの端から2.9mぐらいのところが頂点になるので分かりやすいようにマークを付けました。
実物はこちら。EndFedのためInv-Vにしても釣竿の先が給電点とならず釣竿がお辞儀をしないというメリットもあります。
このような展開の仕方で、前述のエレメント長でQRP周波数を中心に100kHz以上の帯域でSWR1.5以下とすることが出来ました。12/10mバンドでSWRが高くなる場合はカウンターポイズとなっている同軸部分を折りたたむと良いようです。
ちょうど調整し終わったのがグレイラインの時間帯。試しに20mバンドでS9で入感していたモスクワ南のヴォロネジ州の局を10Wでコールしてみました。2次側にCを持っていないので特に耐圧等で問題になることはありません。
先方はKWクラスの局らしく、こちらの弱い信号はQSBの底ではノイズに埋もれてしまうようです。何回かのコールでようやくピックアップ、一応RST559をいただきました。いつも使っているEFHWと比較してみれば良かったのですが、とりあえず電波はでているようです。
7MHz/10MHzも試してみたところ、いつものEFHWを1/4λバーチカルにしたものよりは飛んでいるようです。また、きちんとしたInv-Vの形に展開せず、バーチカルとして使っている20m用エレメントの先端に40/30m用エレメントを付けて斜めに下ろすだけでも十分使いものになりそうです。
基本的にフルサイズダイポールをエレメント端から給電しているだけなのでエレメント長はずいぶん長くなります。一方、耐圧の高い大きなタイトバリコン等も不要なためこちらのように100円ショップで買った小さなソフトケースで十分収納可能です。
先日折ってしまった釣竿もAliExpressで格安の7.1mのグラスロッドを購入済み。釣竿が到着次第、山頂で各バンドの実地テストをしてみたいと思います。
※尚、今回のアンテナ製作にはこちらの解析記事を参考にさせていただきました。
この記事で俎上に上がっているのはLNR Precisionのこちらの製品です。トラップ・ローディングコイルがついて10m-20m-40mバンドにQRVできるようです。