JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

武川岳(JA/ST-008)

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連休を利用して秩父の山々をアクティベーションして来ました。

 連休初日は久しぶりの快晴。朝五時半に自宅を出発し、道すがらJG1GPY局を拾い武川岳の登山口の名栗げんきプラザを目指します。途中、関越道の事故渋滞に巻き込まれ到着は9時半近くになってしまいました。

 登山口からはしばらく林道を歩きます。久しぶりに青空がのぞいていました。

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登山口から1時間20分ほどで山頂に到着。山頂は広く良い眺めです。

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JG1GPY局はいつもの10mポールにバーチカルEFHW、当局は最近マイブームになっているMLAを展開しました。GPY局は18MHz、当局は14MHzからQRV開始です。

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 スポットすると早速各局からコール。当日バンドコンディションがあまりよくなかったのか1エリア中心にコールいただきました。GPY局は18MHzで早速ZL/VKとQSO出来た様子です。

 次に21MHzへ。いつものZL1BYZ局からコールいただけました。続いてJA/KN-020をアクティベーション中のJJ1SWI/1局からもコール、S2S完成です。CQを出しても呼ばれないので18MHzへ降ります。コンディションが上がってきたのか8エリアからも呼んでいただいたのですが、それも続かず。CQ空振りでKX2の内蔵バッテリーも無くなってしまったのでCLとしました。

 最後にGPY局が430MHzで筑波山中腹の移動局とQSO。武川岳は関東平野を一望できるロケーションにあるため強力に入感していました。HFの調子の悪いときはV/Uの方が面白い場所かもしれません。

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 ログを確認したところGPY局もZL/VK以外は1エリア中心とのこと。

当局は延べ、

 14MHz 6局

 21MHz 4局(うちZL 1局)

 18MHz 5局

となりました。

 時刻は既に13時過ぎ。今日は次のアクティベーションもあるため早々に下山しました。

VK/ZL/JA <> EU S2S イベント

VK/ZL/JA間とEUでSOTAのSummit 2 Summit QSO(SOTA山の山頂間通信)を狙うイベントが開催されました。残念ながら台風が接近しており関東地方は大雨となってしまいました。JAアクティベータの数局は低山からのアクティベーションを予定しているようですが、今回はチェイサー部門での参加としました。

前回はイベントに合わせてVDAの実験をしていたのですが、今回はベランダからVK方面が良く入ることが判ったMLAを使って参加することにしました。

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 16時頃、既にSOTAwatchにはVK局・EU局のスポットが沢山並んでいます。JA局を追ってみたのですが、残念ながらノイズレベルすれすれでお呼びできる状況ではありません。

 VK局もSSB運用が多くちょっと厳しいかなと思っていたところにVK2/SY-002をアクティベーション中のVK2IO/P局が20mでスポット! 早速捜しにいくとQSBのピークではコピーできるレベルまで信号が上がってきています。他局とのQSOを待って5Wでコールしてみるとなんとコールバックがありました。10WにパワーアップしてRST319を送ります。先方からはRST219とギリギリQSOできました。

 その後VK局/JA局を各バンドに捜しに行ったのですが、残念ながら入感なし。今回のイベントは1局のみのQSOとなってしまいました。

 QSO後にVK2/SY-002 Rileys Mt.までの距離を測ったところ7800kmもありました。

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こんなアンテナで良く飛んでいったものだと思います。

前回同様、HF通信の醍醐味を味わうことができたイベントとなりました。

マグネチックループとEFHWの比較

ここのところ天気が悪く山登りができないので、ベランダでアンテナの簡単な比較実験をしてみました。

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〇使ったアンテナ

  • MLA
    南向きのベランダの手摺にMLAを立てかけています。ループ面と直交する方向がビーム方向になります。
  • EFHW
    釣竿で展開したEFHWです。エレメントは南北方向に展開。実験の途中で釣竿の先端から垂らしてバーチカル風にしています。

〇実験内容

14MHzでEU・OC方面の同じ局をワッチしSを比較してみました。

  • EU方面
    MLAは西方向を向いていますが北西方面は建物に隠れているのでEFHWの圧勝になりました。S4-5ぐらい違い、MLAでは聞こえない局もあります。以前開けた場所で比較した際にはS2程度の差があったので(2m周ループの場合)それ以上の差が出てしまいました。

  • OC方面
    MLAはベランダとループ面を直角にしてビームを南向き。ちょうどT88WMがS6程度と強く入って来ました。EFHWではサイド方向ということもあるのかほとんどカスカスで聞こえません。釣竿の先端からエレメントを半分ぐらい垂直に展開するようにしたところ、S4-5位まで振るようになりました。
    EFHWは斜め上方向に展開していたのでサイドでももう少し使えるかと思っていたのですがここまで差があるとは思いませんでした。

 ベランダの地上高が5mぐらいなので水平EFHW(DPも同じかと思います)の打ち上げ角の問題もありそうです。MLAも8D-SFAにしたことで若干性能が上がっているようですが、いかんせんエレメントが重く釣竿を固定するのが大変になってきてしまいました。

 現在QRP Labs.のWSPR Beaconのキットを入手中です(QCXトランシーバが大人気のようで、そのとばっちりで一月近く経ってもまだ届きません)。

 こちらが完成したらバーチカルEFHW・水平EFHW(ギボシDP)、MLA、G5RV(7M4EZBさん製作)などいくつかのアンテナを山頂に展開し、各地域でスポットされるSNRを比較し実際にパフォーマンスを比べてみたいと思います。

 さて重量・サイズ・展開方法などを考慮すると、どのアンテナが一番バランスが良いでしょうか?

 

 

 

マグネチックループアンテナの改良

 大山でデビューしたMLAですが榛名山アクティベーションではエレメントを全周3mの3.5D-SFA に大型化、マルチバンドに対応できるように共振用のCを200pFのタイトバリコンに変更してみました(給電部は変更ありません)。実際に使ってみると全周3mのループではバリコンのステータを全て抜いた位置でも21MHzに共振しなかったり、風でエレメントが撓むことから共振点が安定しないなど色々問題がありました。

そこで今回はエレメントをもう少し太くして8D-SFA(全周3mは同じ)としたバージョンを作ってみました。

エレメントにSFAケーブルを使ったのは以下の理由からです。

  • ある程度の硬さがあることからループとして自立できる
  • 8D-2Vなどより軽い
  • 外部導体に銅マイラーテープが入っており損失が少なそう

 早速作ってみたのがこちら。

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200pFのタイトバリコンは食品保存容器に入れてあります。エレメントが太くなったおかげでLが若干低くなり7MHz-21MHzで使えるようになりました。

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 19時過ぎ頃各バンドでDX局が入感しはじめていたので、ベランダの手摺にアンテナを立てかけた状態で聞こえている局を呼んでみました。いずれも10Wで10MHzではフィリピンと14MHzではリトアニアQSOすることができ、バンドコンディションにさえ恵まれれば十分DXにも使えそうな雰囲気です。

 エレメント・チューナ・同軸ケーブル一式で1kgとかなり重いのですが、簡単な竿(下は仕舞長40cmの渓流竿)一本で上げることができるのでお手軽SOTAアクティベーションに活躍しそうです。

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榛名山(掃部ヶ岳)(JA/GM-033)

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いつものメンバーで三連休を使って群馬県榛名山(掃部ヶ岳)をアクティベーションしてきました。いつも奥多摩・丹沢・箱根方面を中心にアクティベーションしているため群馬県の山は初のアクティベーションです。

 前日は榛名湖畔でP泊。ラジウスでご飯を炊きながらGPYさん謹製のカレーで晩御飯。その後に天体観測を楽しみました。空も晴れ上がりGPYさんの持参したフィールドスコープで白鳥座アルビレオや、天の川の無数の星々を観ることができました。EZBさんも持参の双眼鏡でアンドロメダ大星雲を観察できたようです。

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 明日の朝が早いので早々に就寝タイム。お二人はツェルトに潜り込み、風邪気味の私は車中泊となりました。

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 翌朝は5時前から山頂を目指します。途中の階段地獄で時間を取られてしまい山頂直前で日の出となってしまいました(一枚目)。ほどなくして山頂に到着。

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天気は快晴となりました。

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 山頂は狭くHFの同時アクティベーションは難しいためHFと430での同時運用としました。当局は前回大山で使ったMLAの改造版でQRVです。今回の改造ではエレメントを全長3mの3D-SFAとし、共振用のCは200pFのタイトバリコンに変更しています。

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 まずは18MHzからQRV。バンドがオープンしているようで早速Wからコール。その後ニュージーランド、オーストラリアからも呼ばれます。先日の大山では今一つの結果でしたが、バンドコンディションに恵まれ5Wでも十分DXとQSOすることが出来ました。ただエレメントを3D-SFAと細めにしたせいか、風でエレメントが揺れると垂れてくるようでSWRが刻々と変化します。スポットでもQSBがあると言われていますが原因はこれかもしれません。(^_^;;;)

 その後GPYさんにHFを譲り、430MHzへ。ACAGコンテンスでバンド中が混み合っているので、こちらもACAGにプチ参加することにしました。EZBさんも21MHzを中心にアクティベーション。規定局数を無事こなせたようです。

 10時を回ると狭い山頂は沢山の人だかり。そろそろ無線という感じでは無くなってきたので早々に下山しました。榛名富士でSOTAアクティベーション2座目とも思いましたが前日の疲れもあり山頂で景色だけ楽しんで下山しました。

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その後温泉に浸かり疲れを癒して、関越道を一路東京へ。

 今回はイベント盛りだくさんで大変楽しいアクティベーションとなりました。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

大山(JA/KN-006)

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先日製作したMLAの実験をするため大山(JA/KN-006)をアクティベーションしてきました。あいにく当日は11年ぶりに発生したXフレアの影響で磁気嵐発生中。バンドコンディションは最悪の様子です。とりあえず感触だけでも判ればいいやと近場の大山にしました。

 まずは最寄り駅でフリーパスをゲット。丹沢近辺の小田急神奈中バスが乗り放題になるのでとてもお得です。秦野の駅ではあいかわらずハイカーの長い行列。ヤビツ峠もハイカーでごった返していました。イタツミ尾根を登り頂上へ。今日は雲が多く富士山の姿を拝むことはできませんでした。

 山頂ではいつもの場所にMLAを設置。仕舞長40cm程度の短い釣竿でも上げられるので荷物が少なくて済みます。金網に干渉するのか若干動作が不安定ですが、どうにか各バンドでSWR1.5以内になりました。

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 まずは14MHzで南アルプス千頭星山(JA/YN-021)をアクティベーション中のJF1NDT/1をコール。559/519とこちらのシグナルは弱めのようです。その後1エリアから続けてコールいただき、それなりに飛んでいる様子。途中QSBを伴うものの6エリアからもコールいただき559/539と悪くない結果となりました。続く18MHzは1エリアのみですが、グラウンドウェーブはそれなりに飛ぶようです。

 続いて21MHzでセルフスポット。早速ZLからコールいただき、こちらから519のレポート。残念ながらコールバックがなく尻切れになってしまいました。その後、日光 小真名子山(JA/TG-084)をアクティベーション中のJS1UEH/1局からコールいただき589/589をいただきました。

 帰りのバスの時間もあるので430MHzはこちらから呼びまわり。箱根 金時山(JA/KN-007)をアクティベーション中のJL1BWG局とS2Sがてきました。結果として430MHz 2局を含む20局とのQSOと、まずまずの結果でした。

 バンドコンディションが最悪だったのできちんとした評価にはなっていませんが、概ね以下の様な感触です。

  • コンディションが良ければ国内ならそこそこ使えるかも。EFHWの様に20mのエレメントに40m乗せるというような使い方が出来ないのはちょっと不便。
  • バーチカルEFHWでいつもギリギリのレポート(319など)を貰っているDXはかなり難しいかも。
  • 20mの効率が悪い。30/40m対応も考えると全周2.5m〜3mのループにすると良さそう。
  • 釣竿との固定方法を工夫しないと現場のセッティングが面倒。

 バーチカルEFHWに置き換えられるかというと正直微妙な感じです。大きさとのトレードオフですがエレメントを3.5D-SFA等にして全周を3m程度にすることで、自立しながら効率の良いループが実現出来るかもしれません。またボチボチと実験続けてみたいと思います。

 本日もコールいただいた各局ありがとうございました。

 

2017年ハムフェア参加

 今年もハムフェアに参加してきました。一日目は所用のため参加できず、二日目から。当日は久しぶりの青空。良い天気になりました。

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 今年は6mのAMトランシーバボードを狙っていたのですが、既に売り切れとのこと。山と無線・SOTAのブースへと直行しJH0CJH局・JA1CTC局・JR1NNL局・JM1NCT局を始めとし山と無線のメンバーの方々とアイボールさせていただきました。

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 その後、SOTA仲間でいつもお世話になっているJP3DGT局、JG4LCS局と初めてのアイボール。JI3BAP局ともお会いすることができました。午後にはJAFFのJA1CJF局他JAFFのMLの皆さんにもお会いすることが出来ました。先日製作したMLAとKX2を持参していたのでアンテナ・リグから山登りの装備まで話が弾みました。

 その後会場を巡り「同軸コリニア研究会」「MLA48プロジェクト」などのブースにお邪魔しアンテナ作りのノウハウを色々伺うことができ大変参考になりました。QRLの収録スタジオの前ではJJ1SWI局・JQ1SRN局ともアイボールさせていただきました。

 そんなこんなしているうちに撤収の時間。JG4LCS局が新幹線までお時間があるとのことなので会場隣のタリーズに寄りベンチでMLAとKX2でプチ移動運用。

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 こんな屋根のあるところで飛ばないだろうと思っていたのですが、14MHzで強く入っていたロシアのRX15RXを試しに呼んでみたところまさかのコールバック!559までもらえてびっくりしました。あとで調べてみたところウラジオストック北方の局らしくさすがにヨーロッパまでは飛んでいなかったようです。

 ハムフェアではいつも無線やtwitterなどで繋がっている無線仲間とリアルにお会いすることができ大変楽しい週末を過ごすことができました。また来年のハムフェアでお会いしたいと思います。

 

(おまけ)

今回の戦利品はこれだけでした。^_^;; YaesuのキャップとRFワールド39号。RFワールドはアンテナシミュレーションの特集だったので少し勉強してみようかと思ってます。

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マグネチックループアンテナの製作

 SOTAアクティベーションのHF用アンテナとしてバーチカルEFHWを愛用しています。ポール一本で狭い山頂でも上げることができ、エンドフェッドのため同軸ケーブルも短くて済み、打ち上げ角も低めとなかなか使い勝手の良いアンテナです。唯一の欠点は長いポールが必要なこと。14MHzではエレメントが10m近くになるのでポールを立てるにもステーが必要となります。

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 海外のSOTAやNPOTAのQRPアクティベーションではAlexLoopと呼ばれるとてもコンパクトなマグネチックループアンテナ(MLA)を使っている局をみかけます。SOTA仲間のJP1QEC局もMLAを製作中ということもあり、私もSOTA移動用のMLAを自作してみることにしました。

 なお、製作にあたりこちらの記事を参考にさせていただきました。

  通常ループアンテナは1周1λのエレメントとなっていますが、MLAは波長の10%以下と非常に小さなループとなっています。アンテナ自体が共振回路となっていてアンテナに流れる電流から生成される磁界成分により電波を放出、又、空間中の電波の磁界が生成する電流をとらえ受信することからマグネティックループと呼ばれるようです。

[参考文献]Loop Antenna

【SOTA移動用マグネチックループの製作】 

 今回はSOTA移動用ということで、バンドは14/18/21MHzのみ、周波数もQRP向け周波数専用とし高価な高耐圧のタイトバリコンを使わないで製作しました。

エレメント

 エレメントには5D-2V 2mを使います。実際に使用するのは周りの網線だけです。AWG22位の太いワイヤーの方が効率が良いそうですが、エレメントだけで自立させたかったため同軸ケーブルとしています。

カップリングループ

 共振時のエレメントが低インピーダンスになることからカップリングの為のコイルが必要です。通常40cm周程度の小さなループをエレメント内に設けるのですが、コンパクトにするためにトロイダルコア(FT82-43)を使いました。トロイダルコアの中心に5D-2Vの同軸エレメントを通し、リグ側にはUEWを6T巻いてカップリング用のトランスとしています。

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コンデンサ

 ループの反対側にはエレメントと共振回路を構成するためのコンデンサを付けます。5W程度でも600V以上の電圧がかかるためタイトバリコン等が必要となるのですが、今回は周波数を固定とし、同軸ケーブルを利用したコンデンサを製作しました。

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 写真では少しわかりにくいのですが、左右のM型コネクタには同軸で作ったエレメントを接続、下のBNC型コネクタの先には各バンド毎の容量に合わせて同軸ケーブルを切って作ったコンデンサをぶら下げます。

 容量についてはAA5TB局のサイトにあるExcelマクロで計算できます。実測では2mの5D-2Vのループでおよそ63pF(14MHz)、40pF(18MHz)、30pF(21MHz)でした(いずれもQRP周波数が中心)。

 調整中に同軸ケーブルを切り過ぎてしまったため、内部にも同軸コンデンサを入れてて下駄を履かせています。^_^;;

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 またバンド幅(SWR < 2.0)が50kHz程度と非常に狭いため、共振周波数を変更できるよう予備の同軸コンデンサをトグルスイッチで入れられるようにしました。

アンテナの調整

 コンデンサ部、カップリングコイル部共にブラケースに入れました。プラケースの裏には滑り止めのゴムが貼ってあります。グラスロッドを3m位展開しエレメントが円となるような位置に各々をマジックテープの付いた荷物バンドで固定しています。

 この状態で各バンドで同軸コンデンサの微調整をします。アンテナアナライザで共振点(j=0となるところ)を見つけながら同軸ケーブルを切って行きます。最後はミリ単位での調整となりますので注意しながら切って下さい。

 またループ形状を変化させることでインダクタンスが変わるのか共振周波数をずらすことが出来るようです。ループを縦方向に伸ばすことで共振周波数が下がり、縮めることで共振周波数が上がります。

EFHWとの比較

 近くの公園でバーチカルEFHWと比較してみました。当初トロイダルコアの1次側を2Tとしていた時はバンド幅が広め(100kHz)だったのですが耳が悪くEFHWと較べるとS3以上(20dB近く?)程度落ちる感じです。アサヨ峰のアクティベーションではRBNに拾われず、マーシャル島の局からは”119”を貰うなど散々でした。

 上記の通り6Tとしたところ帯域は非常に狭くなりましたが、EFHWと比較してもS2程度の差となり十分実用になりそうなレベルになりました。試しに自宅のベランダから突き出した釣り竿にぶら下げて14MHzの5W CWでQRVしてみたところ、Hawaii QSO Partyに参加中のKH6局何局かと問題なく交信することができました。

 また磁界を拾うため1λのループアンテナとは90度ビーム方向がずれる のが面白いです。サイドに持っていくとかなり切れる印象です。EFHWと異なり周囲の環境の影響を比較的受けにくい(ほぼエレメントの形状で共振周波数や共振時のインピーダンスが決まる)ので一度きちんと調整してしまえば再現性良く使えると思います。

まとめ

 安価にコンパクトなマグネチックループを作ることができました。バーチカルEFHWより性能は落ちますが、長いポールを必要とせず3m程度の釣り竿の先につけるだけでQRVできるのはメリットかと思います。次回以降のSOTAアクティベーションでぜひ実運用に使ってみたいと思います。