QSLカードの作成
せっかくの連休が雨模様なので、昨年来やろうやろうと思って進んでいなかったQSLカードを作成しました。以下、備忘録を兼ねて手順をまとめてみました。
(1)印刷通販業者への登録
安くて評判の良かったプリントパックにしました。
ユーザ登録を済ませて早速発注。表面は写真をベースにしたコールサインをデザイン、裏はインクジェットで自前の印刷とするため、ポストカードから「強光沢/普通紙(ミラー上質紙)180kg」を選びました。「アートポスト」など裏面に筆記性の無いタイプのカードはインクジェット印刷には向かないそうです。
ちなみに片面4色1000枚で送料込み2350円(7営業日)と非常にお安い料金設定でした。
データ入稿は発注してからになるのでとりあえず上記で発注を済ませます。
(2)データ入稿の形式を選ぶ
AdobeのIllustratorなどから作ったPDFでの入稿がお勧めらしいのですが、貧乏人なのでGIMPで作ったJPGファイルで入稿することにしました。指定されたアプリから生成したPDFファイルだとWeb入稿時にクイックチェックをしてくれるのですが残念ながらJPGは対象外です。
(3)ツールのインストール
GIMPをインストールされていない方はこちらからダウンロードしてください。この記事を書いている時点で2.10.6が最新版です。途中インストーラで言語を聞いてきますがEnglishを選択して下さい。インストール後、システムの言語設定に合わせてツールの言語が設定されます(ツールのメニューは日本語で表示されます)。
フォントを追加したい場合はこちらを参考にしてください。Google Fontsに色々なフォントがあります。私は英文は全てMontserratにしています。ダウンロードはこちらから。
(4)入稿データを作る
あとはGIMPを使って自由にデザインするだけです。参考までに写真をベースにコールサインを配したデータを作る手順を以下に示します。
1. 背景のレイヤーを作成
GIMPを立ち上げ、背景になる写真をドラッグ&ドロップします。新しいレイヤーが作られ写真が表示されると思います。次にポストカードサイズまで縮小するため「レイヤー」→「レイヤーの拡大・縮小」を選択し、単位をmmにして幅を148mmにします。縦は元の写真のアスペクトに自動的に設定されます。
縮小したら、「画像」→「キャンバスサイズの変更」を選び、ここで用紙のサイズである横148mm縦100mmを設定します(端が白くなると格好悪いので若干大き目が良いかも)。写真の上下が一部欠けると思いますが適宜調整してください。完了したら画面左下の縮尺を100%にしておきます。
2.文字のレイヤーを作る
「レイヤー」ウィンドウのレイヤの部分で右クリックで「新しいレイヤーの追加」を選びます。新しいレイヤが追加されるので、「ツール」→「テキスト」でコールサインを追加します。必要に応じて住所やコメント等を追加してください。
3.その他のレイヤ
その他SOTAのロゴなど必要なレイヤーを作ります。
4.データのエクスポート
ファイルに名前を付けてセーブした後、「ファイル」→「エキスポート」でJPGファイルにエキスポートします。ファイル形式は拡張子で決まりますので、拡張子に「.jpg」を指定して下さい。JPEGエンコード時の品質は最高品質でしておけば問題ないと思います。
(5)入稿データのアップロード
セーブしたJPEGファイルを目視し問題が無いか確認してください。その後プリントパックの「Webからのデータ入稿」でJPGファイルをアップロードすれば完了です。
参考データ
GitHubにGIMPのデータを置いておきます。ライセンスはCC BY-SAです。
ハムフェア2018
SOTA日本支部のブース、初日から多くの方にご来場いただき大変盛況でした。夜はSOTA愛好家の皆さんと宴会。二次会もアクティベーション談義に花が咲き盛り上がりました。
二日目、朝9時半過ぎに出勤したら昨日相当深酒したはずのメンバがもう全員揃っています。山登りで鍛えているだけあって皆さんタフですね。
二日間ブース設営をお手伝いいただいた皆様お疲れ様でした。またSOTAに興味を持ってブースを訪れていただいた皆様ありがとうございました。展示させていただいた資料はこちらからダウンロード可能 です。
ちなみにこちらは今年のハムフェアの戦利品。
SOTA仲間のJM1NCT局がいつも楽しそうにしているので興味がありました。ちょうど店頭にあったので価格を確認したところ税込11.5kとかなりお値打ち。思わずゲットしてしまいました。コールは「かわさきNE602」にしようと思います。いつも山に連れて行っている末っ子も特小のQRV動画を見せたところ興味を持ったようです。次の山行でデビューなるか?楽しみです。
本社ヶ丸(JA/YN-043)
前回の砥山が山登り的には若干物足りなかったので、笹子川右岸の最高峰らしい本社ヶ丸(JA/YN-043) 1631mをアクティベーションしてきました。
当日は朝4時に自宅を出発。途中、談合坂で夜明けとなったのですが風も強く空には怪しい雲が沢山。先行きが危ぶまれます。
一宮御坂ICから御坂みちを入ると雨が降ってきました。三ツ峠登山口に着いた頃には止んでいましたが風は相変わらず激しいままでした。
平日ということもあり6時近くでも駐車場は空いています。黄色いゲートを抜けて清八林道へ。
比較的平坦な林道を40分ほど行くと、清八山・三ツ峠山の分岐点、大幡八丁峠へ。ここを左折し清八山に向かいます。15分ほど登ると清八山へ到着。山頂は素晴らしい眺めですが、残念ながら富士山は雲の中でした。
少し進むと笹子方面から来る登山道との分岐、清八峠です。本社ヶ丸はここから40分。
清八山と本社ヶ丸の間はかなりごつごつした岩場です。途中ミニミニ・ナイフリッジがあったり、濡れたこんな岩を登ったりと、眠気が一気に吹き飛びました。
アドレナリンのおかげか30分程で本社ヶ丸に到着。山頂そのものが大きな岩の上にいるような感じで、ごつごつ岩が露出している上に大変狭く、あまり居心地良くありません。
そのかわり景色は最高です。甲府方面(冒頭)から富士山まで360°のパノラマが開けていました。
アラートの予告時間も近いので、早速釣り竿を立ち木に固定しGlue-EFHWに14MHzのエレメントをつけて展開します。吹きさらしになっているため台風並みの強い風が吹いており釣竿も先が大きくしなっています。
荷物も置いておくと飛ばされてしまうので必要最小限のものだけ出してQRV。伝搬状況は良いようで1エリア以外にも4/6エリアがS9オーバー、VK/ZLからもコールいただけました。
ところがここでトラブル発生。先日買った中華ロッドが途中から折れてしまいました。前回砥山のアクティベーションでヒビがあるのを見つけていたのですが、そこから派手に折れてしまいました。
台風並みの風が吹いている上に、隣の山から雲も迫って来ています。雨風の中を岩山を降りるのも辛いので泣く泣く30分程のQRVでQRTさせていただきました。(最短アクティベーション記録かも。)
時間が大幅に余ってしまったので、帰り道は道の駅「なるさわ」横の温泉で雨の露天風呂を楽しんだあと、山中湖畔・道志みちをのんびりドライブして帰宅しました。
本日もコールいただいた各局ありがとうございました。
砥山(JA/TK-034)
久しぶりのSOTAアクティベーションをしてきました。猛暑ということもあり比較的登り易い山でリハビリも兼ねて行先は奥多摩は都民の森の「砥山」にしました。
当日は枡形山無線倶楽部の面々を途中で拾い、都民の森の駐車場の開く8時前に到着。駐車場から森林館を抜け、炭焼き小屋を右に。そこから30分程ですぐに山頂です。簡単に登れる割には標高は1302mもあります。気温は22℃と涼しく下界の熱気が嘘のようです。尾根伝いに早速各局がアンテナを展開します。
14-10-7MHz専用のPFR-3を持参した7M4EZB局が14MHzから、18MHzより上がJG1GPY局、当局は10MHzからQRVしました。
10MHzはいつものGlue-EFHW。国内のバンドコンディションも良いようで国内各エリアから呼んでいただけました。今日はVK-ZL Winter SOTA Partyが開催されておりVK/ZLの各局とのS2Sを期待していたのですが、残念ながらVK方面の入感はありませんでした。
各局の状況を見物にいくと、7M4EZB局のPFR-3が内蔵チューナの具合が悪く14MHzでQRV出来ないとのこと。勿体ないのでGlue-EFHWに代えてGPを上げてQRVしました。一瞬SOTA Party参加中のVK2IO局が入感したのですがノイズに埋もれて聞こえなくなってしまいました。もう少し早い時間帯ならチャンスがあったかもしれません。
GPY局は既に6mにQSY。今日はSkydoorアンテナも持ってきていたのでロータリーダイポールと比較実験をしていただきました。QSO中の局にご協力いただき較べてみたところ、送受ともにS2ぐらいSkydoorが良いという結果になりました。サイズ的には随分大きくなりますが、かなりゲインはあるようです。
そうこうしているうちに3時間近くが経過。帰りも30分とお手軽に下山。温泉で汗を流し帰路につきました。
VK-ZL Winter SOTA Partyには参加できませんでしたが、久々のアクティベーションを楽しむことができました。コールいただいた各局ありがとうございました。
雁ヶ腹摺山(JA/YN-075)
一年振りに山梨県大月市の雁ヶ原摺山(JA/YN-075)をアクティベーションしてきました。GW中ということもあり、中央高速下りは早朝から40Kmの渋滞予測となっていました。渋滞を避けるため暗いうちからに出発し登山口の大峠には6時過ぎに到着。この時間で既に駐車スペースは満杯でした。
山頂までは40分ほど。山頂は鬱蒼としていますが南側は広々とした草原になっています。お約束の500円札との比較写真。天気に恵まれ富士山が綺麗に見えていました。
山頂から少し南に下ったところに本日のシャックを設営。アンテナは最近マイブームになっているGPでした。
まずは14MHzからQRV。早速VK/W各局からコールいただけました。伝搬状況は良さそうですが続きません。その後、国内チェイサー各局からもコールいただけました。ここで少々アクシデント。昨晩メモリキーヤーの設定を忘れ現地で入力したのですが、どうもサミットNo.を打ち間違えていたようです。スポットと異なるCQで各局にはご迷惑をおかけしました。
少し落ち着いたところで18MHzへ。こちらはあまり伝搬が良くないのかZL局とのS2Sを狙ってみますがQSBのピークでもカスカスで取れません。国内もS2S狙ってみたのですがQRM/QRNでどうしても取れず断念しました。
次に久しぶりに50MHzに出てみようとSkydoorを上げてみました。ここでまたアクシデント。トランスバータとKX2を接続する同軸ケーブルがありません。どうにかケーブルを組み合わせポールの途中にトランスバータをぶら下げてQRV。風も強く落ち着かないので数局呼びまわり後QRTとしました。ロケーションが良いのか2W程度の出力でも良く飛んでいたのに残念でした。
今日は末っ子も一緒でそろそろ飽きてきた様子。ちょっと早いですが昼ご飯となりました。最後は430MHzを少しこなして11時半には下山しました。
帰り道に国道20号を初狩駅方面へ少し進んだ「日の出鉱泉」に寄ってきました。20号沿いにあるのですが、一見民家というか民家なので見逃さないよう注意です。汲み上げた鉱泉を薪で沸かしているようで薪の匂いを嗅ぎながらの熱々の温泉でとても癒されました。
今日もコールいただいた各局ありがとうございました。
大山(JA/KN-006)
今年初めての大山(JA/KN-006)アクティベーションをJG1GPY局と一緒に行ってきました。
ヤビツ峠は積雪の為バスが不通とのこと。運動不足解消も兼ねて蓑毛からヤビツ峠経由で登ることにしました。蓑毛バス停を降りてから柏木林道を通りヤビツ峠へ。先日の積雪がまだ残っており崩落個所を注意深く渡りながらヤビツ峠へ向かいます。なかなか良いペースで1時間15分程でヤビツ峠へ到着しました。
ここからはイタツミ尾根を経由して山頂を目指すのですが、登るにつれて積雪が目立ち大変歩き難い状況です。軽アイゼンを着けて登ったのですが、日頃の運動不足もたたり、山頂についたのは蓑毛から3時間近く経った後でした。
早速いつもの場所に14MHzのGPを展開します。ラジアルは2m近く上げています。
山頂はかなり雪が残っており雪上でのアクティベーションとなりました。
14MHzでCQを出すと国内局に続きWからコールをいただきました。QSBはあるもののピークではS7~8振っており、久しぶりに強力なシグナルを聞くことができました。18MHzでQRV中のGPY局にかぶるようなので暫しQRX。GPY局も雪上でのアクティベーションです。
その後、先日作ったGlue-EFHWを使って10MHzへQSY。同軸ケーブルも不要でSWRもすぱっと落ち楽ちん楽ちんとGPY局に自画自賛。^_^;;
10MHzは国内の伝搬状況が良いようで6エリア・8エリアがS9オーバーで入感していました。コールが途切れたところでそろそろお腹が空いてきたのでランチタイムです。
毎回GPY局が趣向を凝らした昼ご飯をごちそうして下さるのですが、今回のメニューはこちらの餡バターブレッド。ちょっと焦げてしまいましたが、甘い餡子がナイスです。
帰り道は見晴らし台経由で下社へ向かいます。雪が解けて泥だらけとなってしまい、運動靴で登ってきたハイキング客が動けず大渋滞となっています。15時過ぎにはどうにか下社に辿りつくことが出来ました。
久しぶりにがっつり歩いたため正直疲れましたが、伝搬状況にも恵まれSOTAアクティベーションを満喫することができました。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。
城山(JA/KN-022)デジタルモードでのアクティベーション
6m用トランスバータの変更申請と同時にKX2にデジタルモードの付加装置を追加しました。なかなか移動運用で使う機会がなかったのですが、先日ようやくデジタルモードでのSOTAアクティベーションにトライすることができました。
付加装置としてWindows10のタブレットPCにWSJT-Xをインストールしたものを使っています。KX2のオーディオ入出力にタブレットのヘッドホン・マイク端子を接続し、送受信はVOXで切り替えています。
移動先はいつもの城山(JA/KN-022)です。折角のデジタルモードですので夕方のグレイラインでEUを狙ってみることにしました。山頂に到着したのは午後3時近く。10mのグラスポールに20mバンドのGPを上げ、まずはCWから運用してみました。
国内はあまり開けていないようで1エリアを中心にコール。DXはZL/VKとコールいただき伝搬状況はまずまずのようです。
そろそろEUへのパスが開けそうな時間となったためタブレットをKX2に接続しFT8でCQを出してみました。
早速モスクワの局からコールバック。-17dBのレポートをいただけました。その後、国内局・中国局を中心に6局ほどQSOができました。EUの局はかなりデコードできているのですが、バンドが混んでおり、こちらのCQはなかなか拾って貰えないようです。
自宅に帰ってからPSKReporterで確認してみたところ5WでEU/オセアニア/南米まで飛んでいたようです。
こちらの比較によるとDXのCWをコピーできるSNRが-15dBとのこと。-20dBまで行けるFT8の威力が発揮されたようです。SOTAWatchでスポットをする前提ならバンドが空いている上にSNRの稼げるJT65/JT9の方が良かったかもしれません。
山岳移動では出せるパワーやアンテナにも限界があるため、このような符号化利得で稼ぐのも一つの手かもしれません。今後海外の山岳移動局とのS2S(Summit to Summit)交信にもトライしてみたいと思います。
マルチバンドバーチカルの製作
W2LJ局のブログを眺めていたところ、QRP関係のキット販売で有名なQRP Guysからコンパクトな短縮バーチカルのキットが紹介されていました。
ベースローディングの短縮型40m/30m/20mのバーチカルアンテナでN2CX局が設計されたものとのこと。NPOTAのアクティベーションでも大活躍しているそうです。
ハイバンドをGPとした場合、ローバンド向けのアンテナが別途用意する必要があり、このQRP GuysのTri-Band Verticalがうってつけそうです。早速これを参考にGPのエレメントとラジアルを使った2 Band Vertical + 3 Band GPを作ってみることにしました。
アンテナ製作と調整
15m/17m/20mバンドはエレベーテッドラジアルのGP、30m/40mはGPの20mバンド用エレメントを使った短縮バーチカルとします。バーチカルアンテナのカウンターポイズもGPのラジアルをそのまま使いました。
ローディングコイルにはQRP Guysのキットと同じT68-2を使ったトロイダルコイルを2つ直列にして使っています。各トロイダルコイルにはトグルスイッチが並列についており、使わないときはショートするようにしています。まずは30m用 26turn、40m用 40turnぐらいから始めました。
ローディングコイルを全てショートした状態で高いバンドからGPのエレメント長を決めていきます。4.2m/5.2mのラジアルを2本を付けてエレべーテッドラジアルとし調整した結果がこちら。給電点は1.5m〜2m位にしています。エレメントはAWG24のワイヤです。
次にローバンドの調整です。30m/40mバンドは20mバンド用のエレメントを付け調整します。ラジアルの位置は地面から50cm程度まで下げています。 ローバンドは地面の状況によってかなり異なるのでオリジナルと同様3m x 4本のラジアルも作り、設置場所に合わせてラジアルの種類や高さを調整しSWRが最低となるようにしています。今のところ40m/30mともにSWR 1.2~1.6程度におさまっています。
尚、最終的に30m用のローディングコイルのLは24turn 3.3uH、40mバンドは38turn 8.23uHとオリジナルと同じ値に落ち着きました。
アンテナの評価
移動運用でよく使われるフルサイズの逆V(Glue-EFHWを逆Vに展開したもの)と40mで比較してみました。逆Vは頂点を6mぐらいまであげています。
まずSメータで比較してみたところ逆VがS1-2程度強いようです。WSPRの比較でも3エリアのレポータで逆Vの方がSNRで5-7dB程度強いというSメータとほぼ同じデータが取れました。
やはり国内はゲインもあり打ち上げ角の高い逆Vが良い結果を出しています。DXについては定量的な評価は出来ていませんがARRL DX Contestでは夕方の40mで5Wでネバダ州の局にピックアップしてもらえるなど、短縮率が高い割には飛んでいるようです。
まとめ
QRPGuysのキットを参考に、ハイバンドのGPと40m/30mの短縮バーチカルをまとめSOTA向きのコンパクトなアンテナを作ることができました。今後、実際の山頂での評価を続けでみたいと思います。