JL1NIE ’s blog

趣味のアマチュア無線やプログラミングについて徒然と。

マルチバンドバーチカルの製作

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 W2LJ局のブログを眺めていたところ、QRP関係のキット販売で有名なQRP Guysからコンパクトな短縮バーチカルのキットが紹介されていました。

qrpguys.com

 ベースローディングの短縮型40m/30m/20mのバーチカルアンテナでN2CX局が設計されたものとのこと。NPOTAのアクティベーションでも大活躍しているそうです。

 ハイバンドをGPとした場合、ローバンド向けのアンテナが別途用意する必要があり、このQRP GuysのTri-Band Verticalがうってつけそうです。早速これを参考にGPのエレメントとラジアルを使った2 Band Vertical + 3 Band GPを作ってみることにしました。

アンテナ製作と調整

 15m/17m/20mバンドはエレベーテッドラジアルのGP、30m/40mはGPの20mバンド用エレメントを使った短縮バーチカルとします。バーチカルアンテナのカウンターポイズもGPのラジアルをそのまま使いました。

 ローディングコイルにはQRP Guysのキットと同じT68-2を使ったトロイダルコイルを2つ直列にして使っています。各トロイダルコイルにはトグルスイッチが並列についており、使わないときはショートするようにしています。まずは30m用 26turn、40m用 40turnぐらいから始めました。

 ローディングコイルを全てショートした状態で高いバンドからGPのエレメント長を決めていきます。4.2m/5.2mのラジアルを2本を付けてエレべーテッドラジアルとし調整した結果がこちら。給電点は1.5m〜2m位にしています。エレメントはAWG24のワイヤです。

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 次にローバンドの調整です。30m/40mバンドは20mバンド用のエレメントを付け調整します。ラジアルの位置は地面から50cm程度まで下げています。 ローバンドは地面の状況によってかなり異なるのでオリジナルと同様3m x 4本のラジアルも作り、設置場所に合わせてラジアルの種類や高さを調整しSWRが最低となるようにしています。今のところ40m/30mともにSWR 1.2~1.6程度におさまっています。

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 尚、最終的に30m用のローディングコイルのLは24turn 3.3uH、40mバンドは38turn 8.23uHとオリジナルと同じ値に落ち着きました。

アンテナの評価

 移動運用でよく使われるフルサイズの逆V(Glue-EFHWを逆Vに展開したもの)と40mで比較してみました。逆Vは頂点を6mぐらいまであげています。

 まずSメータで比較してみたところ逆VがS1-2程度強いようです。WSPRの比較でも3エリアのレポータで逆Vの方がSNRで5-7dB程度強いというSメータとほぼ同じデータが取れました。

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 やはり国内はゲインもあり打ち上げ角の高い逆Vが良い結果を出しています。DXについては定量的な評価は出来ていませんがARRL DX Contestでは夕方の40mで5Wでネバダ州の局にピックアップしてもらえるなど、短縮率が高い割には飛んでいるようです。

まとめ

 QRPGuysのキットを参考に、ハイバンドのGPと40m/30mの短縮バーチカルをまとめSOTA向きのコンパクトなアンテナを作ることができました。今後、実際の山頂での評価を続けでみたいと思います。