リフレクタ付きGPの評価
これまでの実験でコンパクトな割には良く飛ぶことが判ったGPですが、欲を言えばもう少しゲインが欲しいところ。ゲインを稼ぐためにGPにリフレクタを付けたらどうなるかMMANA-GALでシミュレーションしてみました。
GPの後方4.8mの位置に垂直に5.14mのエレメントを、地上高2mの位置から5.35mのラジアルを2本降ろしリフレクタとします。シミュレーションしてみると、Ga = 3.93dBi、F/B比 7.8dB、打上角は23度となり、そこそこ良い感じになりました。
実験手順
早速いつものAWG24のワイヤを切り出してリフレクタを作成。いつもの公園で釣竿2本を使ってエレメントを設置してみました。
場所の都合でリフレクタはGPの北側6.6mの位置へ。ビームは南方面を向くことになります。若干間隔が広くなってしまったためシミュレーション上ではGa = 3.37dBiに落ちています。
このアンテナでGP本体のみの場合とリフレクタを付けた場合、各々WSPR 6フレーム分を1Wで交互に送信してReporterのSNRを調べてみました。
実験結果
DXPlorerを使ったReporterの位置関係はこちら。一番飛んでいるのは後述する別のアンテナです。
各アンテナでのReporterのSNRは以下の通り。
- リフレクタ付きGP
スポット数は7つでした。 - GP
こちらもスポット数は7つ(DXに限定すると4つ)となりました。
参考データとして10mのグラスポールを使って給電点を3.5m程度まで上げた、いわゆるElevated Radial GPについても計測してみました。
計測結果はこちら。
- GP(Elevated Radial)
(場所の都合から通常のGPと交互に計測できなかったため、バンドコンディションが変化しているかもしれません。あくまでも参考データとなります。) - 考察
シミュレーション上ではリフレクタを追加することで3.37dBiを得られます。微妙な差かと思いましたが、実測ではそれなりに違うようです。むしろ驚いたのは給電点を高くあげたElevated Radialの結果です。
短時間でバンドコンディションが大きく変化した可能性もありますが、遠くEAまで飛んでおり大きな差がついています。更にバンドコンディションに影響されない直接波の局にも拾われるようになっていました。電流腹となる給電点を高くすることがGPの性能に大きく影響を及ぼすようです。
そういえば前回のVK <> EU S2S Eventの際にMLAでコンタクトできたVK2IO局も当日Elevated RadialのGPを使用されており、SOTA ReflectorでもGPがZS6BKW(G5RVアンテナの一種)よりも強かったとコメントされていました。
当初想定していた結果と若干異なるものとなりましたが、GPについても興味深い結果が得られました。