F2Aモード申請
ハムフェアで入手したKEYER2009にはF2出力というものがついています。F2AとはFM波をCWのトーン信号で変調したもの。マイクの前でピーピーと口笛を吹いてもF2Aになります。
あまりメジャーなモードとは言えませんがフォーンでほとんどコピー出来ない場合でもスケルチを開いて受信していればQSO可能な事も多いとのこと。オールモード機持っていない当局が山頂でS2Sを狙うのに使えるかと思い導入することにしました(もちろん相手局あっての話なのですが)。
- ケーブルの製作
KEYER2009とFT1XDの接続のために以下のケーブルを作りました。マイク端子にPTT制御用のDCが乗っているためKEYER2009のマニュアル記載通り抵抗を入れてF2出力のトーン出力とPTT出力に接続しています(トーン出力はKEYER2009内部でコンデンサでカップリングされています)。図ではSWでマイクとキーヤを切り替えられるようにしていますが、小型化最優先で切り替えスイッチなしでも良いかと思います。
なお、FT1XDにはCT-44というマイクアダプターを使って接続しています。通常の3.5mm 4極プラグだと太すぎるため根元まで入らないためです(根元を削るなどして加工すれば良いのですが)。
- 変更申請
マイクからの入力ではなく付加装置(KEYER2009)から直接の入力となるため変更申請が必要になります。
まずは送信系統図。こちらのサイトを参考に作成しました。電鍵で低周波発振器を制御しマイク端子から入力することでF2Aを実現することが分かれば十分かと思います。
次は変更申請書の作成です。前回の変更申請書を電子申請Liteの申請履歴照会を使ってダウンロードし最新の局設備の構成にします。「13.電波の形式」は電信が追加されるため4級の範囲を超えるので一括記載コード「4VA 」から「3VA」に変更になります。次に「14.変更する項目」欄の「13.電波の形式並びに周波数及び空中線電力」「16.工事設計書」をチェック。更に「16.工事設計書」欄に今回変更する装置について「工事設計書編集」で必要な項目を入力します。
まず変更対象が何番目の送信機か入力したうえで変更種別で「変更」チェック。リグを追加する変更申請では技適番号の記載だけで済みましたが、今回はそれができません。「発射可能な電波の形式及び周波数の範囲」に各周波数での電波の形式をリグのマニュアルを見ながら入力します。「電波の形式」の最後には今回追加する「F2A」を記載しておきます。「変調方式」「終段管」「電圧」「定格出力」についてもリグのマニュアルから転記。最後は「設定」ボタンで元の画面にもどります。
次に添付図面の「送信機系統図」をチェックし、「添付書類」で先ほど記載した送信系統図のPDFファイルを追加します。こちらにあるように付記に「第X送信機のマイクロフォン入力に低周波発信器を接続してF2A電波を発射できるようにする」ことを記載しておきました。
記載内容を確認したら総合通信局に送信。郵送を希望する場合はステータスが審査中に変わったら返信用封筒を総合通信局宛に送っておきます。申請時期にもよると思いますが申請してから6日ほどで審査終了となりました。
変更申請後の局免はこちら。一括記載コードが4VAから3VAに変更されています。
伊豆ヶ岳 JA/ST-013
先週に引き続き今週末も雨の予報です。家にばかりいても身体が鈍るので雨の中でも歩けそうな短めのルートの山をアクティベーションすることにしました。選んだ山は秩父の伊豆ヶ岳(JA/ST-013)。麓にある名栗げんきプラザから1時間ほどで山頂とお手軽な上に、ロケーションも悪くないようです。
日曜朝、前日の夜更かしがたたり二度寝をしてしまい自宅を出たのは6時近く。中央道・八王子ICから青梅市を抜けて目的地へ急ぐと、台風の影響か土砂降りの雨。本当に今日は登れるのでしょうか?
8時過ぎにやっと名栗げんきプラザに着きました。
しっかり雨が降っているのでレインウェアを装備しザックカバーも取り付けます。出発の前に名栗げんきプラザで登山届を提出。電話でもOKのようです。
駐車場から国道を少し戻ると伊豆ヶ岳へ入る林道があります。林道を少し行くと左手に沢のあるところが伊豆ヶ岳の登山口となっています。
最近の運動不足に加えレインウェアが蒸し暑く少々バテ気味。山に行かない週末も運動しておかないとだめですね。長岩峠・五輪山を抜けていくと目の前に男坂の鎖場が現れます。
流石にこの雨のなか鎖場は危険なので右手の女坂を迂回します。女坂も途中道が崩落しているためロープで通行止めがされており、途中から山頂への直登ルートになります。
そんなこんなで山頂についたのは登山口から1時間後。いつの間にか雨も止んでいますが、いつ降りだすかわからないのでツエルトを展開します。
こちらが今日のシャック。
シャックの横にはバーチカルEFHW。伊豆ヶ岳の山頂は狭いのでこれぐらいがちょうど良いです。
今日はハムフェアで入手したKEYER2009と、144/430用アンテナのRH770のテスト運用も兼ねています。
結局アクティベーションを開始したのは10時過ぎ。14MHzのエレメントを取り付けAPRS2SOTAでスポットを入れると即座にJR1NNL局からコール。那覇市からもコールがありますがQSBも激しくバンドコンディションは落ち気味。21MHzに移ることにします。21MHzでは狭山で自作アンテナGB-QECを実験中のJP1QEC/1局から早速コール。非常に強力です。その後VKからもちらほら呼ばれますが、あとが続かず1エリア中心のQSOとなりました。
QSOが一段落したところで食事をとりながら430MHz用6eleアンテナをくみ上げます。今日のもう一つの目的であるRH770 vs 6エレ八木の実験です。
CQを出している移動局を中心に5mHのロッドアンテナと、手持ちで立った状態でフロントにビームを向けた6ele八木のSを比較。何れもS1-2以上ロッドアンテナの方が上です。
比較のため、岩の上に登りロッドアンテナと同じ高さまで6ele八木を持ってくるとロッドアンテナに比べS2ぐらい強くなります。山頂にある木々の影響や地面の影響が思ったより大きく効いてくるようです。
山頂での運用など限られた環境では釣竿+RH770が八木より飛ぶといわれる理由が良く判りました。こうなってくるとがぜん興味が沸いてくるのがコリニアアンテナ。ぜひ自作して試してみたいと思います。
さて実験をしているうちに空が暗く、風も強くなってきました。そそくさをツエルトを畳んで下山開始。麓について山の見上げるとさっきの雲はどこにいったのか青空が見えてます。
最後は休暇村奥武蔵で一風呂浴びて(受付は16:00までなので要注意)帰路に着きました。
本日もコールいただいた各局ありがとうございました。
ハムフェア2016参加
今年のハムフェアは土曜日に所用があったため(所用の一つが、貯めに貯めたQSLカードの印刷だったりするのですが)、日曜日にJG1GPY局、7M4EZB局と行ってきました。
今回の狙いの品はこちらのキーヤー。以前からSOTA仲間のJP3DGT局やJF1NDT局からおすすめいただいている一品です。
もう一つの狙いはこちらのアンテナ。
山岳移動ではRH770というノンラジアルのホイップアンテナを釣り竿に取り付け地上高を高くしてQRVするのが飛ばすコツとのこと。先日自作した6ele八木と較べてみたく購入してみました。
現地到着したのは9時半過ぎ。既に100人以上が並んでいます。
まず最初に買い物だけ済ませてしまおうと蚰蜒倶楽部のブースへ直行。無事KEYER2009をゲットしました。このキーヤーATmegaのISP端子もついており、いろいろと今後遊べそうなグッズになりそうです。また倶楽部の方々が本当に自作が大好きなようで「何か作ってほしい移動アイテムはないですか?」とのこと。以前よりラッチリレーを使ったQRP用ATUがあればいいなと思っていたのでリクエストさせていただきました。
次に伺ったのが「山の無線」のブース。JI1TLL須崎さん・JH0CJH川内さん、JA1ATC小林さん、JR1NNL後藤さんといった皆さんとアイボールすることができ大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。また山岳移動用のリグ・バッテリー・アンテナなど貴重な情報を共有いただきありがとうございました。
時間の都合でお会いできなかった方も多いのですが、またの機会にぜひお会いしたいと思います。
(おまけ)
早速自宅で戦利品を繋げて遊んでいます。やっとキーヤーがHB-1Bと釣り合うサイズになりました。F2用のオーディオ/PTT出力がついてのいるのが楽しいですね。430MHz F2でアクティベーションのご要望があれば、ぜひトライしてみたいと思います。
大菩薩嶺 JA/YN-024
夏休みのアクティベーション第2弾は大菩薩嶺 JA/YN-024です。今回は7M4EZB山内さんをお迎えしてJG1GPY安部さんと一緒におっさんトリオで大菩薩嶺をアクティベーションしてきました。
EZB局は今回が初のアクティベーション。Mountain Topper Radio (7MHz/14MHz)に自作DPを携えて参加です。
前回は道を間違え、真ん中に落石があるような林道を通ってしまいました。今回は勝沼ICを降りて甲斐大和駅方面へ右折、大菩薩湖経由で上日川峠を目指します。
上新川峠に着いたのは6時過ぎ。ここからいつものように唐松尾根を通り山頂を目指します。
生憎の天気で回りはガスに包まれています。
上新川峠から1時間ちょっと雷岩に到着です。いつもならここから大展望が開けているのですが、何もないので岩の写真。
雷岩から少し歩くと山頂に到着。
今日は山頂もガスっており座っていると少し寒いぐらい。QRVするバンドを調整し、少し離れて今日のシャックを開設です。下は21MHzのVDPを展開したJG1GPY局。
こちらはMTRに14MHzのDPでQRVする7M4EZB局
こちらはMTR。コンパクトですね。
私は18MHzでバーチカルEFHWでQRVしていたのですがEZB局のMTRにかなり抑圧が発生しQRVに支障がある様子。18MHzで規定の4局をQSO後はHFはQRXし430MHzにQSYすることにしました。今日のアンテナはJAMSATの6ele八木。前回は塩ビパイプで作成しましたが軽量化のため再度角材でブームを作り直しました。
エレメントをこのようにばらして順番と上下が判りやすいようにラベル付け。風呂敷に包んでブームと一緒にザックに括り付けて担いできました。
関東平野にアンテナを向け430MHzをしばらくワッチします。やっと空いている周波数を見つかったので、その場でCQ。メインチャンネルで呼んでいないにも関わらず各局からお声がけをいただき、100Km以上離れた竜ヶ崎市からも59のレポートをいただけました。6エレ八木良い調子で動いているようです。次回は山岳移動の定番と言われているノンラジアルホイップRH770を釣り竿で持ち上げるというスタイルと比較してみたいと思います。
結局30局近くの皆さんとQSOさせていただいたですが、今日はあいにく夏休みの最終日。中央高速の大渋滞が予想されるため11時過ぎには切り上げさせていただきました。山頂で昼食をとっていると思わぬ珍客が現れました。
帰り道は賽の河原を通り、大菩薩峠を目指します。生憎の天気ですが、真夏にしてはとても過ごしやすい陽気です。たまにはこういう日もあっても良いでしょう。
帰り道は世界最大の落差を誇る上日川ダムを見学して帰宅しました。なかなかの大迫力ですので、大菩薩嶺に行かれた際にはぜひお寄り下さい。
今日もコールいただいた各局ありがとうございました。
縞枯山 JA/NN-037
ちょっとさぼっていましたが夏休みのアクティベーションの様子をまとめて更新したいと思います。
夏休みのアクティベーション、第1弾は北八ヶ岳の縞枯山です。今回も子供同伴で夏休みの課題も一緒に片付けてしまおうという魂胆です。この山は縞枯現象という立ち木が帯状に枯れるという大変興味深い現象が発生しており自由研究には恰好の素材です。今回はタイミングよく、SOTA大先輩のJP1QEC局が蓼科山に登られるタイミングとのこと。隣の山同士でのS2Sも狙えそうです。
自宅を出たのは朝の3時半過ぎ。北八ヶ岳まで距離があるので早起きしようと思っていたのですが、ちょっと遅れ気味の出発です。途中双葉ICに到着したのが5時半頃。まだまだ先は長いです。
北八ヶ岳ロープウェイの山麓駅に着いたのが午前7時過ぎ。ここで前泊で蓼科山のアクティベーションを予定しているJP1QEC局にお声がけ!シグナルは51ですが無事QSO出来ました。朝食やトイレを済ませロープウェイの始発を待ちます。
8時になるとロープウェイが動き出します。あいにく山頂駅はガスに包まれており視界もありません。坪庭と呼ばれる溶岩台地を抜け、縞枯山荘を横目に登山口を目指します。
雨池峠を右折すると縞枯山への登山口。ここからは急登が続きます。
山道を登ること30分ほど。いきなり縞枯山山頂へ到着します。山頂は木に覆われており眺めはあまりよくありません。山頂の先に素晴らしい展望台があるとのことですが、まずはアクティベーションを急ぎます。
まず最初は21MHzで運用中のJP1QEC局とS2S、お互い曇り空ですねとCWで会話しながらGL SOTAでお別れ。こちは18MHzに下ります。18MHzではZL1BYZさんからコールをいただきます。JA1VRY局・JS1UEH局・VK4RF/HA局、いつもコールいただける局からお声がけをいただいたあと4エリア・6エリアともQSO出来たのですが続きません。SPOT情報をみるとQEC局はすでに7MHzに行かれている様子です。それでは21MHzにQSYしてみたのですが、今一つバンドコンディションが良くないせいかコールが続きません。結局1時間半ぐらいのQRVで子供も飽きてきたので、次の目的地、展望台を目指すことにしました。
稜線を歩くこと15分ほど。途中、縞枯現象もみることがきました。
更に進むと素晴らしい景色が見えてきます。
こちらは展望台の石の上で取ったパノラマ写真。遠くには天狗岳・赤岳も見えています。こちらの展望台の眺望は本当に素晴らしく子供も大喜びしていました。
430MHzを聞いてみると赤城山麓の移動局のCQが強力に入感しています。展望台でしばしラグチュウーを楽しみ、次の目的地、北横岳を目指すことにします。北横岳には三ッ岳を通るルートと坪庭を通るルート二つがあるのですが、今日は子供連れのため時間も短く岩場もない坪庭経由で向かいます。
山道を登ること1時間弱。北横岳南峰に到着です。
SOTAの対象となる北横岳はここより8m高い北峰になりますが、今回は時間もないので次回のお楽しみ。時間も15時を回っているため山頂には誰もおらず絶景を満喫することができました。
お隣はJP1QEC局の登った蓼科山です。
少々名残惜しいですが、山の夕暮れは早いため山頂駅に急ぎます。山麓駅では子供がお腹が空いたというので恒例のカップラーメン作り。お腹も満ちたところで自宅への道を急ぎました。
今日もコールいただいた各局ありがとうございました。
地図アプリのブックマーク機能その他
先週末から夏休みに突入しました。家族サービスの合間にアマチュア無線を楽しんでいます(逆かも?)。
- 地図ロイド
以前の記事にも書きましたが、最近のアクティベーションでは地図ロイドというAndroidアプリを使って山中での位置を特定しています。このアプリ、国土地理院地図やYahoo地図を本体にキャッシュする機能を持っており完全にオフラインで使える優れものです。
私の場合、使っているスマートフォンのGPS性能が今一つなのと、山中で弱い携帯基地局を探すと電池を消耗してしまうので、山の中では携帯は機内モード。GPSは完全にFT1XD頼みとしています。画面中央の十字部分の緯度経度をFT1XDの示す緯度経度に合わせるという非常に原始的な方法ですが、分岐場所の確認などには十分使えます。
地図ロイドにはブックマーク機能という地図上の位置を保存する機能があります。ブックマークはCSVリストでインポート・エキスポートが出来るため、この機能を使ってSOTAの山頂リストを地図ロイド上に取り込んでみました。元データは以前から解析に使っている山岳リスト。こちらから以下のCSVフォーマットに変換してみました(インポート時には標高は不要かもしれません)。
山頂の名称, 緯度, 経度, 説明, アイコン種別, 標高
とりあえず本州分のデータだけ作成してみました。端末への転送方法はいろいろあるかと思いますが、Googleドライブ経由で携帯へコピー。地図ロイドのブックマークのメニューから「ファイルから取り込む」でインポートすれば完了です。
地図上にはSOTAの山頂が表示されます。本州だけで3000個以上のブックマークになりますが特に速度上の問題もなく快適です。
また登山時には前述したキャッシュ機能で必要なエリアの地図を一括ダウンロード。
目標までの距離を確認しながら登ることもできます。
早速次のアクティベーションで活用してみようと思います。
- フィールドデーコンテスト
開局以来はじめてフィールドデーコンテストに参加しました。時間が許せば移動運用もしたかったのですが自宅からの参加となりました。今回も6m&Down同様430FMでの呼びまわりを中心にQRVです。自宅南向きベランダに2エレという今一つの環境ですが、どうにかマルチも9とすることができました。今回の課題はdupeチェック。あいかわらず紙のログに書いてログ提出の際にCtestwinに入力するという無駄なことをしているのですが、交信中に1局、ログ入力時に1局dupesがありました。そろそろ紙ログから脱却しないと。
友人のJG1GPY局は生田緑地に移動して6mCWで半日で101局とQSOされたとのこと!また機会があれば以前作成した5エレを担いで移動運用してみようかと思います。
黒岳 JA/YN-031
今週末は奥多摩三山でまだ登っていない御前山に行く予定にしていたのですが、奥多摩方面の天気がいまいちな様子。予定を変更して河口湖畔の黒岳JA/YN-031をアクティベートすることにしました。
前日寝るのが遅くなってしまい朝寝坊。家を出たのは朝5時を随分回った頃です。中央高速に乗り大月ICを経由して河口湖ICで降ります。河口湖大橋を渡った先を左折して21号線で湖畔しばらく走り、途中左折し719号線へ。若彦トンネル抜けて300mぐらい行ったところを右折します。目指すはすずらんの群生地。とても大きな駐車場があり、水洗トイレ(4月~10月のみ)まであります。
途中、SAでのんびりしていたりしたため、現地に到着したのは7時半過ぎ。今日はここからすずらん峠を抜けて黒岳を目指します。
ここでトラブル発生!FT1DXのアンテナが見当たりません。これがないと山頂でのスポットも危ぶまれます。とりあえずモービル用のホイップを外して担いで登ることにしました(ノンラジアルではないので山頂で使えるか不明なのですが)。
林道を登っていくとすぐにすずらん峠への登山口。
30分ほど登ると、すずらん峠に到着です。
更にここから20分程で黒岳山頂(1793m)に到着。
山頂は木々に覆われ景色は今一つです。トンボがたくさん飛んでいます。
なかなか良い場所がないため、とりあえず山頂北側にある看板の傍に今日のシャックを開くことにしました。期せずして看板がトタン板だったため、モービルホイップを貼り付けることができました。これならどうにか電波も出せるかもしれません。
結局CQを出し始めたのは10時過ぎ。まずは21MHzからQRVです。APRS2SOTAによるセルフスポットも成功し、VK/ZLからもコールされます。ほどなく宝燈山JA/ST-019をアクティベーション中のJJ1SWI/1局からもコール。S2Sが完成しました。その後もいつものアクティベータの皆さんからコールいただきました。その後14MHz→18MHzとQRV。比較的国内が開けており、3/4/5エリアの各局ともQSOさせていただくことができました。最後は430MHzを少しワッチ。松戸の局のCQが大変強く入感していたのでコール。こちらも55のレポートいただきました。
山頂で簡単な食事を済ませ、河口湖方面に少し下ったところにある展望台へ向かいます。こんな素晴らしい景色が開けていました。
練習場所があるのかパラグライダーが何機も空高く舞っています。
さて景色を堪能したところで下山を開始。帰り道はドンベイ峠から降りることにします。山頂から御坂峠方面に降りすぐに左手に曲がる道があります。
ほどなく駐車場に到着、帰路に着くことにします。いつもは高速道路で往復しているのですが、今日は山中湖を経由して国道413号「道志みち」で帰ることにしてみました。週末ということもあり河口湖から山中湖までかなりの渋滞。それでも景色が良いので退屈しません。
また「道志みち」に入ってからはカーナビに「石割山」「観正体山」「菰釣山」など気になる山名がたくさん。ついキョロキョロしてしまいます。景色も良くドライブには最高の道でした。途中「道の駅どうし」で一休み。しばらく案内板を眺めながら次はどこに登ろうか思案していました。
今日は天気に恵まれ最高の山登り&SOTAアクティベーション日和でした。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。
※家に忘れたと思っていたアンテナは自宅の駐車場に落ちていました。帰宅時に危うく車で踏みつぶすところでした。^_^;;
山頂における伝搬について
HF編
先週末はアクティベーションをお休みして主にチェイサーとして各局をお呼びしていました。朝一番のQSOは水ヶ森JA/YN-045に移動中のJF1NDT/1局でした。
14MHzでのQSOはRST319とノイズレベルすれすれ、UTCで日付が変わった45分後の21MHzの交信ではRST559~569とシグナルが大変強力に入っています。自宅と水ヶ森の距離は直線にして85Km。水ヶ森と自宅の間には黒岳や雁ヶ腹摺山があり見通しはありません。
さてこれはどのような伝搬なのかちょっと考えてみました。NDTさんのご意見では当日午前28MHzで東京・福島間で599で繋がっていたことから短時間のEsが出ていたのではないかとのこと。これをヒントに検討してみることにしました。
まず当日朝のイオノグラムを見てみると110kmぐらいの高さに臨界周波数8MHzくらいのE層、215kmぐらいの高さに臨界周波数9MHz前後のF層があるのが判ります。
臨界周波数Fcと最高使用周波数(Maximum Usable Frequency)Fmuの関係は電離層への入射角をθとすると以下の式になります。
Fmu = Fc * 1/cosθ (セカントの法則というそうです)
ここで、2点間の距離を2d、電離層の高さをhとすると
1/cosθ = Sqrt(d^2 +h^2) / h
となります。これに電離層の高さと2局間の距離をいれると
1/cosθ ≒ 1.07
となり、入射角が大きいことからMUFはさほど高くなりません。これではE層による反射は厳しい状況です。これが400Kmぐらい距離が離れていると入射角が小さくなることからFcの2倍程度までMUFが上がり反射が期待できます。この例では18MHzぐらいまでは期待できそうです。ちなみに昼間密度が高いD層での減衰は周波数が高いほど少なくなります。Esが発生すると28MHzや50MHzで強力に入感するのはこのためです。一方、7MHzは昼間はD層での減衰が大きく何度もホップするような伝搬をすることが出来ません。そのため国内での伝搬が中心になります。一方、夜間になるとD層が消滅し減衰がなくなることからDXとの交信が可能になります。
さて当日のイオノグラムをよく見てみると実はこんなEsが出ている時間帯がありました。
15分から30分程度で消滅してしまったのですが、Fcは16MHz近くまで延びておりNDTさんとの21MHzの交信時にこのEs層があったのかもしれません。21MHzでよく聞こえていた時間とEsの出現時刻が若干異なっているのですが、このイオノグラムは国分寺のものですので、水ヶ森と当局の中間点の大月市付近では現れた時間が異なっていると考えられます。
NDTさんの直観は正しかったようです。流石です!
V/UHF編
さて今度はV/UHF編です。今晩(7/25)はSOTA仲間のJP1QEC局とJI1IHV局が大弛峠に前泊し、明朝の北奥千丈岳 JA/YN-012のアクティベーションに備えられています。お二人に430MHzで繋がるかどうか実験ということで、Longley-Rice Modelを用いた20MHz-20GHzにおける伝搬シミュレータを使ってシミュレーションをしてみました。
このモデルは地形の情報も考慮しているので山岳地帯におけるV/UHF帯の見通し伝搬には良い予測結果が出そうです。
ソフトウェアのインストールが不要なオンライン版のシミュレータを使って早速シミュレーションしてみました。こちらが大弛峠から430MHzでQRVしたときの結果。赤いマーカが大弛峠です。甲府市方面への見通しは良いのですが、残念ながら東京方面は山の影に隠れてしまっています。
一方、北奥千丈岳の頂上までいくと一気に視界が広がります。東京方面一円が交信可能エリアに入ります。素晴らしいですね。
さて、今後予定している山々はどんな感じでしょうか?こちらは枡形山無線倶楽部で予定している大菩薩嶺JA/YN-024です。こちらも素晴らしいロケーションです。
奥多摩三山のうち、まだ登っていない御前山JA/TK-006。こちらも東京方面には素晴らしいロケーションです。
こうやってシミュレーションしながらアクティベーション先を選ぶのもSOTAの楽しみの一つかもしれません。
※HFやV/UHF伝搬についてはぜひ識者の皆さまから詳しくご教示いただきたいと思っています。誤り等ございましたら、是非コメント欄でご指摘いただければ幸いです。