雁ヶ腹摺山(JA/YN-075)
一年振りに山梨県大月市の雁ヶ原摺山(JA/YN-075)をアクティベーションしてきました。GW中ということもあり、中央高速下りは早朝から40Kmの渋滞予測となっていました。渋滞を避けるため暗いうちからに出発し登山口の大峠には6時過ぎに到着。この時間で既に駐車スペースは満杯でした。
山頂までは40分ほど。山頂は鬱蒼としていますが南側は広々とした草原になっています。お約束の500円札との比較写真。天気に恵まれ富士山が綺麗に見えていました。
山頂から少し南に下ったところに本日のシャックを設営。アンテナは最近マイブームになっているGPでした。
まずは14MHzからQRV。早速VK/W各局からコールいただけました。伝搬状況は良さそうですが続きません。その後、国内チェイサー各局からもコールいただけました。ここで少々アクシデント。昨晩メモリキーヤーの設定を忘れ現地で入力したのですが、どうもサミットNo.を打ち間違えていたようです。スポットと異なるCQで各局にはご迷惑をおかけしました。
少し落ち着いたところで18MHzへ。こちらはあまり伝搬が良くないのかZL局とのS2Sを狙ってみますがQSBのピークでもカスカスで取れません。国内もS2S狙ってみたのですがQRM/QRNでどうしても取れず断念しました。
次に久しぶりに50MHzに出てみようとSkydoorを上げてみました。ここでまたアクシデント。トランスバータとKX2を接続する同軸ケーブルがありません。どうにかケーブルを組み合わせポールの途中にトランスバータをぶら下げてQRV。風も強く落ち着かないので数局呼びまわり後QRTとしました。ロケーションが良いのか2W程度の出力でも良く飛んでいたのに残念でした。
今日は末っ子も一緒でそろそろ飽きてきた様子。ちょっと早いですが昼ご飯となりました。最後は430MHzを少しこなして11時半には下山しました。
帰り道に国道20号を初狩駅方面へ少し進んだ「日の出鉱泉」に寄ってきました。20号沿いにあるのですが、一見民家というか民家なので見逃さないよう注意です。汲み上げた鉱泉を薪で沸かしているようで薪の匂いを嗅ぎながらの熱々の温泉でとても癒されました。
今日もコールいただいた各局ありがとうございました。
大山(JA/KN-006)
今年初めての大山(JA/KN-006)アクティベーションをJG1GPY局と一緒に行ってきました。
ヤビツ峠は積雪の為バスが不通とのこと。運動不足解消も兼ねて蓑毛からヤビツ峠経由で登ることにしました。蓑毛バス停を降りてから柏木林道を通りヤビツ峠へ。先日の積雪がまだ残っており崩落個所を注意深く渡りながらヤビツ峠へ向かいます。なかなか良いペースで1時間15分程でヤビツ峠へ到着しました。
ここからはイタツミ尾根を経由して山頂を目指すのですが、登るにつれて積雪が目立ち大変歩き難い状況です。軽アイゼンを着けて登ったのですが、日頃の運動不足もたたり、山頂についたのは蓑毛から3時間近く経った後でした。
早速いつもの場所に14MHzのGPを展開します。ラジアルは2m近く上げています。
山頂はかなり雪が残っており雪上でのアクティベーションとなりました。
14MHzでCQを出すと国内局に続きWからコールをいただきました。QSBはあるもののピークではS7~8振っており、久しぶりに強力なシグナルを聞くことができました。18MHzでQRV中のGPY局にかぶるようなので暫しQRX。GPY局も雪上でのアクティベーションです。
その後、先日作ったGlue-EFHWを使って10MHzへQSY。同軸ケーブルも不要でSWRもすぱっと落ち楽ちん楽ちんとGPY局に自画自賛。^_^;;
10MHzは国内の伝搬状況が良いようで6エリア・8エリアがS9オーバーで入感していました。コールが途切れたところでそろそろお腹が空いてきたのでランチタイムです。
毎回GPY局が趣向を凝らした昼ご飯をごちそうして下さるのですが、今回のメニューはこちらの餡バターブレッド。ちょっと焦げてしまいましたが、甘い餡子がナイスです。
帰り道は見晴らし台経由で下社へ向かいます。雪が解けて泥だらけとなってしまい、運動靴で登ってきたハイキング客が動けず大渋滞となっています。15時過ぎにはどうにか下社に辿りつくことが出来ました。
久しぶりにがっつり歩いたため正直疲れましたが、伝搬状況にも恵まれSOTAアクティベーションを満喫することができました。本日もコールいただいた各局ありがとうございました。
城山(JA/KN-022)デジタルモードでのアクティベーション
6m用トランスバータの変更申請と同時にKX2にデジタルモードの付加装置を追加しました。なかなか移動運用で使う機会がなかったのですが、先日ようやくデジタルモードでのSOTAアクティベーションにトライすることができました。
付加装置としてWindows10のタブレットPCにWSJT-Xをインストールしたものを使っています。KX2のオーディオ入出力にタブレットのヘッドホン・マイク端子を接続し、送受信はVOXで切り替えています。
移動先はいつもの城山(JA/KN-022)です。折角のデジタルモードですので夕方のグレイラインでEUを狙ってみることにしました。山頂に到着したのは午後3時近く。10mのグラスポールに20mバンドのGPを上げ、まずはCWから運用してみました。
国内はあまり開けていないようで1エリアを中心にコール。DXはZL/VKとコールいただき伝搬状況はまずまずのようです。
そろそろEUへのパスが開けそうな時間となったためタブレットをKX2に接続しFT8でCQを出してみました。
早速モスクワの局からコールバック。-17dBのレポートをいただけました。その後、国内局・中国局を中心に6局ほどQSOができました。EUの局はかなりデコードできているのですが、バンドが混んでおり、こちらのCQはなかなか拾って貰えないようです。
自宅に帰ってからPSKReporterで確認してみたところ5WでEU/オセアニア/南米まで飛んでいたようです。
こちらの比較によるとDXのCWをコピーできるSNRが-15dBとのこと。-20dBまで行けるFT8の威力が発揮されたようです。SOTAWatchでスポットをする前提ならバンドが空いている上にSNRの稼げるJT65/JT9の方が良かったかもしれません。
山岳移動では出せるパワーやアンテナにも限界があるため、このような符号化利得で稼ぐのも一つの手かもしれません。今後海外の山岳移動局とのS2S(Summit to Summit)交信にもトライしてみたいと思います。
マルチバンドバーチカルの製作
W2LJ局のブログを眺めていたところ、QRP関係のキット販売で有名なQRP Guysからコンパクトな短縮バーチカルのキットが紹介されていました。
ベースローディングの短縮型40m/30m/20mのバーチカルアンテナでN2CX局が設計されたものとのこと。NPOTAのアクティベーションでも大活躍しているそうです。
ハイバンドをGPとした場合、ローバンド向けのアンテナが別途用意する必要があり、このQRP GuysのTri-Band Verticalがうってつけそうです。早速これを参考にGPのエレメントとラジアルを使った2 Band Vertical + 3 Band GPを作ってみることにしました。
アンテナ製作と調整
15m/17m/20mバンドはエレベーテッドラジアルのGP、30m/40mはGPの20mバンド用エレメントを使った短縮バーチカルとします。バーチカルアンテナのカウンターポイズもGPのラジアルをそのまま使いました。
ローディングコイルにはQRP Guysのキットと同じT68-2を使ったトロイダルコイルを2つ直列にして使っています。各トロイダルコイルにはトグルスイッチが並列についており、使わないときはショートするようにしています。まずは30m用 26turn、40m用 40turnぐらいから始めました。
ローディングコイルを全てショートした状態で高いバンドからGPのエレメント長を決めていきます。4.2m/5.2mのラジアルを2本を付けてエレべーテッドラジアルとし調整した結果がこちら。給電点は1.5m〜2m位にしています。エレメントはAWG24のワイヤです。
次にローバンドの調整です。30m/40mバンドは20mバンド用のエレメントを付け調整します。ラジアルの位置は地面から50cm程度まで下げています。 ローバンドは地面の状況によってかなり異なるのでオリジナルと同様3m x 4本のラジアルも作り、設置場所に合わせてラジアルの種類や高さを調整しSWRが最低となるようにしています。今のところ40m/30mともにSWR 1.2~1.6程度におさまっています。
尚、最終的に30m用のローディングコイルのLは24turn 3.3uH、40mバンドは38turn 8.23uHとオリジナルと同じ値に落ち着きました。
アンテナの評価
移動運用でよく使われるフルサイズの逆V(Glue-EFHWを逆Vに展開したもの)と40mで比較してみました。逆Vは頂点を6mぐらいまであげています。
まずSメータで比較してみたところ逆VがS1-2程度強いようです。WSPRの比較でも3エリアのレポータで逆Vの方がSNRで5-7dB程度強いというSメータとほぼ同じデータが取れました。
やはり国内はゲインもあり打ち上げ角の高い逆Vが良い結果を出しています。DXについては定量的な評価は出来ていませんがARRL DX Contestでは夕方の40mで5Wでネバダ州の局にピックアップしてもらえるなど、短縮率が高い割には飛んでいるようです。
まとめ
QRPGuysのキットを参考に、ハイバンドのGPと40m/30mの短縮バーチカルをまとめSOTA向きのコンパクトなアンテナを作ることができました。今後、実際の山頂での評価を続けでみたいと思います。
リフレクタ付きGPの評価
これまでの実験でコンパクトな割には良く飛ぶことが判ったGPですが、欲を言えばもう少しゲインが欲しいところ。ゲインを稼ぐためにGPにリフレクタを付けたらどうなるかMMANA-GALでシミュレーションしてみました。
GPの後方4.8mの位置に垂直に5.14mのエレメントを、地上高2mの位置から5.35mのラジアルを2本降ろしリフレクタとします。シミュレーションしてみると、Ga = 3.93dBi、F/B比 7.8dB、打上角は23度となり、そこそこ良い感じになりました。
実験手順
早速いつものAWG24のワイヤを切り出してリフレクタを作成。いつもの公園で釣竿2本を使ってエレメントを設置してみました。
場所の都合でリフレクタはGPの北側6.6mの位置へ。ビームは南方面を向くことになります。若干間隔が広くなってしまったためシミュレーション上ではGa = 3.37dBiに落ちています。
このアンテナでGP本体のみの場合とリフレクタを付けた場合、各々WSPR 6フレーム分を1Wで交互に送信してReporterのSNRを調べてみました。
実験結果
DXPlorerを使ったReporterの位置関係はこちら。一番飛んでいるのは後述する別のアンテナです。
各アンテナでのReporterのSNRは以下の通り。
- リフレクタ付きGP
スポット数は7つでした。 - GP
こちらもスポット数は7つ(DXに限定すると4つ)となりました。
参考データとして10mのグラスポールを使って給電点を3.5m程度まで上げた、いわゆるElevated Radial GPについても計測してみました。
計測結果はこちら。
- GP(Elevated Radial)
(場所の都合から通常のGPと交互に計測できなかったため、バンドコンディションが変化しているかもしれません。あくまでも参考データとなります。) - 考察
シミュレーション上ではリフレクタを追加することで3.37dBiを得られます。微妙な差かと思いましたが、実測ではそれなりに違うようです。むしろ驚いたのは給電点を高くあげたElevated Radialの結果です。
短時間でバンドコンディションが大きく変化した可能性もありますが、遠くEAまで飛んでおり大きな差がついています。更にバンドコンディションに影響されない直接波の局にも拾われるようになっていました。電流腹となる給電点を高くすることがGPの性能に大きく影響を及ぼすようです。
そういえば前回のVK <> EU S2S Eventの際にMLAでコンタクトできたVK2IO局も当日Elevated RadialのGPを使用されており、SOTA ReflectorでもGPがZS6BKW(G5RVアンテナの一種)よりも強かったとコメントされていました。
当初想定していた結果と若干異なるものとなりましたが、GPについても興味深い結果が得られました。
40m用1/4λバーチカルの評価
普段使っている20m用の1/2λ EFHWですが、2m程度のカウンターポイズを追加すると40mでもチューンすることができます。アンテナとしては1/4λバーチカルとなりSOTAアクティベーションでも国内向けに重宝しています。
今回はこのアンテナをDXに使ってみるとどうなるかWSPRで評価してみました。
実験手順
この時期40mのDXは夜間が中心となり屋外での比較は困難です。自宅のベランダから約45度に突き出した釣竿にエレメントを付け、バーチカル(と言えるか?)単独での評価をしてみました。時間は夜の0時過ぎから、出力は30dBm(1W)としています。
実験結果
冒頭のマップの通り比較的バンドコンディションが良かったようでW/VK/HSまで飛んでいます。スポットされた回数はこちら。
SNRは最大で-17dB、平均的には-22〜-24dB程度とJT65ならどうにかQSO出来るかといったレベルでしょうか。
最近ブームとなっているFT8は交信時間も短くSOTAアクティベーション向きですが、送信時間が短いためJT65までの利得は稼げないようです。それでもCWに比べれば圧倒的な符号化利得を稼ぐことができます。
SOTAでJT65/JT9/FT8といったデジタルモードがどれだけポピュラーか未確認ですが、少電力・コンパクトなアンテナでDXを狙うには強力な武器になりそうです。
Glue-EFHWとGPの比較(WSPR編その2)
昨日のJAFF-0211のアクティベーションでは7mの釣竿で上げたGlue-EFHWが今一つ不発でした。先日の実験の通り10mのグラスポールで上げたGlue-EFHWはGPを凌ぐ性能を発揮する一方、7mの釣竿ではGPに較べS=1~2程度低く今一つ性能が出ないことが判っています。そこで今回は7mHのバーチカルEFHWとGPがどの程度の差があるのかWSPRを使って調べてみました。
実験手順
前回同様14MHzでWSPR Beaconを使って計測しています。出力は30dBm(1W)固定です。各アンテナで8回計測を行っています。EFHWの後半4回分は28MHzのエレメント部分を斜め下におろした東西に狭い角度でエレメントを開くinvVとして展開してみました。
実験結果
まず最初にDXplorerを使ってReporterの位置関係を出してみました。今回一番遠くまで飛んでいるのは1万5千km離れたドイツの南極基地にあるDP0GVN。やはりGPが叩き出した結果でした。
ReporterのSNRは以下の通りです。
- EFHW(赤字部分はinvVとして展開)
EFHWの総スポット数は19回となりました。
- GP
GPの総スポット数は36回となりました。
考察
Sメータの比較と同様WSPRでも7mHのバーチカルEFHWよりGPの方が良い結果を出しています。バーチカルEFHWはエレメントをほぼ垂直に展開することでGPを凌ぐ性能を発揮する一方、垂直部分が十分に取れず、地面に近い部分のエレメントが長くなるとかなりパフォーマンスが落ちてしまうようです。7mの釣竿ではエレメントをほぼ垂直に展開できるのは21MHzからになりますのでそれより下のバンドではGPが有利と言えそうです。
EFHWを途中invVに変更したところ若干SNRが改善(同時ではないので厳密には比較できません)しているようですが、GPを凌ぐまでにはならないようです。
以上まとめると、DXをターゲットとした場合は、
10mH バーチカルEFHW > GP > 7mHバーチカルEFHW
という順になりました。
SOTAの場合、山頂へのアプローチ時間や下山時刻を考えると午前中の北米/オセアニア・昼頃迄のオセアニアがDXの中心になると思います。また国内であれば日中は7MHz/10MHzが比較的安定しています。これらを考慮した上でシチュエーション別のアンテナ選択をまとめると以下のようになりそうです。
- 朝夕のグレイラインで北米(東海岸)やヨーロッパ等の遠地のDXを中心に狙いたい場合
10mグラスポール + Glue-EFHW (総重量 1500g) - 北米西海岸・オセアニア程度のDXとローバンドの国内を時間によって分けて狙う場合
7m釣竿 + Glue-EFHW (総重量 540g)又は
7m釣竿 + Glue-EFHW + GP(総重量 660g) - 最小限の装備でDXを狙う場合
7m釣竿+ GP (総重量 460g)
装備の重さやステーを張ることを厭わなければ、10mのグラスポールにGlue-EFHWを使うと一番選択肢が広くなりバンドコンディションによらずアクティベーションを楽しむことが出来ると思います。
ここ数回の実験を通じて各アンテナの位置付けがだんだんはっきりしてきました。
笠森鶴舞自然公園(JAFF-0211)
久しぶりにSOTA山ではないJAFFアクティベーションをしてきました。最初から狙ったわけではなく、別件で出かける先の一部がJAFFエリアに入っていることに前日夜に気が付きました。
別件の装備が重たいので無線設備は最小限。先日作ったGlue-EFHWが役に立ちそうです。
15時過ぎに別件が終了後アクティベーション先を探します(流石にコース内は無理なので)。車を20分程走らせるとJAFF区域内で駐車場も完備した公園があるようです。早速車を走らせ公園に着くと大きなポールが立っています。移動サービスの局がちょうど撤収中でしたのでご挨拶させていただき、その後を使わさせていただきました。
早速釣り竿でEFHWを展開します。
あまり時間もないので14MHz一択です。WWFFのAgendaにも書き込んでみましたが国内外共にコールいただけません。VK4のスキマーにも細々と拾われているようなのですがEUまでには届きそうもないバンドコンディションです。
目の間に小高い丘があるので、この上でQRVすればもう少し飛びそうな気もしますが、既に疲れ切っているので1時間程CQを出してQRT。残念ながら坊主となってしまいました。
QRT後、丘に登ってみると素晴らしい景色が開けていました(記事冒頭)。スカイツリーの見えるスポットもあるようで日暮れ後にもかかわらず訪れる人が絶えません。
本日は行き当たりばったりのアクティベーションで残念ながら0 QSOとなってしまいました。素晴らしい場所だったのでまた機会を設けて訪れたいと思います。